TOKIO長瀬智也インタビュー「自分にとっての正義がみんなにとっての正義ではない」
6月15日公開の映画『空飛ぶタイヤ』で主演を務める長瀬智也。過去にドラマ化されたこともある池井戸潤の同名小説を原作に、脱輪事故を起こしたトレーラーの構造的欠陥を発見した運送会社の社長が、事実の隠蔽とリコール逃れを目論む大手自動車会社に単身闘いを挑む、骨太のヒューマン・ストーリーである。
長瀬が演じるのは、事故を起こしたドライバーが勤務する赤松運送の2代目社長・赤松徳郎。社員の生活を背負った中小企業のトップとして、大企業相手にどう立ち向かっていくのか。インタビューでは今年40歳を迎える長瀬が抱く理想のリーダー像、そして同世代および若い世代へのアツいエールが飛び出した。
――いきなりですが、長瀬さんはどんな社長についていきたいですか?
長瀬:(週刊SPA!の表紙を見ながら)「このアダルトVRがすごい!」って、どんなVRなんだろう……しかも袋とじじゃないですか! もう男のロマンが詰まってますよね……あ、すみません(笑)。
――いえいえ、ありがとうございます(笑)。改めて聞きますが、長瀬さんがついていきたいと思う「トップに立つ人物」の理想像とは。
長瀬:僕自身トップに立つ人間じゃないんで偉そうなことは言えないですけど、相手を見て「あ、この人は心が本当じゃない」とか「これがこの人の本当の気持ちなんだ」とか、話していると“その人”って見えてきますよね。
――と、言いますと?
長瀬:人と話していると「あ、これは嘘じゃないな」とか、自分のなかでジャッジする瞬間があるんです。変な話、取り繕えば“いい人物”を演じることはできるけど、そんな薄っぺらいものじゃ僕は騙せない。僕もいろんな人と会って、いろんなことを考えてきたので、自分のなかのアンテナというか、言葉では説明できない何かがあるんです。「人間味がある社長」とか「思いやりがある社長」とか、そんな簡単な言葉じゃ片づけられない、もう根拠なく「この人にはついていく!」みたいな動物的な自分の直感を信じています。
――長瀬さんのなかに確固とした判断基準があるんですね。
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