本当にいたバカ上司「取引先の印鑑、ハンコ屋で作っちゃえば?」
なにかとコンプライアンスが厳しくなった昨今、企業は不正を防止するための対策をとるようになった。
そんな中、部下に不正の疑いをかけたうえに、違法行為を仄めかすような指示までするトンデモ上司がいたというのだから驚きだ。
飲食店向け製品の修理会社に勤務する藤原貴弘さん(仮名・34歳)の営業所では、修理先から店舗印とフルネームのサインを伝表にもらってくるのが原則である。不正防止と監査法人対策のためだ。しかし、現実としては様々な事情から店舗印をもらえないこともしばしば。
「小さな店舗だと店舗印自体を作っていなかったり、どこかに無くしてしまっていたり、金庫内にしまっていてすぐには出せないなどの理由で印を押してもらえないことが多いんです」
では、店舗印を押してもらえない場合どのように対処しているのか?
「少々手間がかかるのですが、手書きで店舗名と責任者のフルネームをもらい、そして営業所に戻ったのち、上長に理由を報告、決済番号をもらわなくてはなりません」
藤原さんの受け持ちエリアでは決済が多い。通常は6か月で平均20件なのに対し、彼の場合は55件と平均の約2.5倍。不正をしているわけではないのだが……。
「上長はエリアを管轄しているため、常に自分の営業所にいるわけではありません。主に決済はFAXで申告しています。そんなある日、上長から電話がかかってきて、『君、最近決済が多くない? 不正をしているんじゃないの? みんなは店舗印もらってきてるけど、何で君だけ決済が多いの?』と言われました。決済になってしまう理由を説明しようとしても、一方的に決済が多いことを指摘されるだけで、いつも電話を切られてしまいます。こっちの言い分を全く聞いてくれないことに、かなり苛立ちを感じていますね」
上長とは主にFAXでコンタクトを取っているという藤原さん。営業所のFAXを使用しているということは当然、所長も書類に目を通している。
「先日、自分が上長に提出した書類を所長が見て言った言葉が強烈でした。修理先の金庫をこじ開けてでも店舗印をもらってこい。仕込み中で忙しいお客さんの場合は、手を止めさせて店舗印を押してもらえ。挙げ句の果てに、レジを勝手に開けて店舗印を押してこい、などなど。そんなことしたら、クレームどころではないじゃないですか。一歩間違えれば犯罪ですよ」
さらに、上司からはとんでもない発言が――。
部下の言い分を聞かずに、不正を疑う上司
勝手にレジを開けて店舗印を押してこい
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