一人呑みの酔客を、お店の人はどうみているのか? 本音を聞いた
―[一人呑みへべれけ珍事件簿]―
スマートな”一人呑み”の作法を考えてみる
~お店の人はこう見ている~
一人呑みのお客様も大歓迎です。とはいえ、困るのは、こんな方!
一人呑みの酔客を、お店の人はどうみているのか? 業態はさまざまなれど、”おひとりさま”層が多いお店を切り盛りする3人に、店側の本音を聞いた。
【出席者】
★鈴本恭平さん(仮名)
29歳・レストランラウンジ
芸能人も訪れる、ラグジュアリーなレストランラウンジ。
収容人数100人超ながら、カウンターは、ほとんどが常連の一人客
★林田みどりさん(仮名)
26歳・バー経営
新宿区にあるカウンター席10席のバーを経営。
古くからの飲み屋街に位置するため、一人呑みに慣れた一見さんも多し
★大木大介さん(仮名)
37歳・レストランオーナー
目黒区にあるイタリアンレストランのオーナー。
ワインの種類が豊富なのと、深夜営業のため、ここのところ女性客が急増
林田 ウチは、ほとんどが、一人呑みのお客さん。一人で呑んだり、隣のお客さんとのコミュニケーションも慣れてる人が多いですよ。
鈴本 ウチのお店もそうですよ。席が空いていてもナンパ目的で、絶対に座らずウロウロしているお客さまがいるくらい(笑)。
大木 男性のお客さんはいいんですよ。僕が女性の一人客が苦手で(笑)。お店にふたりっきりになると、気まずくて(笑)。それを解消するために、店の雰囲気にそぐわないと思いながら、最近、テレビを設置しまいました。
林田 そんなに女性のお客さん、面倒くさいですか? 私も一人で呑みに行くので、気をつけないと。
鈴本 女性で困るのは、ジントニック1杯で、2時間とかいらっしゃるお客様ですかね(笑)。こちらも商売ですから、コストパフォーマンスを考えますから。
林田 あ、その点は大丈夫です。私、呑む量は半端ないんで(笑)。
大木 あ、いました! 常連の女性客で、ほかのお客様のいる前で「今月は○万円も使っちゃった」とか言うんですよ。確かに、毎日のように通ってくれて、1回8000円とか使ってくださるから、ありがたい方ではあるんですが。
鈴本 いいお客さんですよ!
大木 でも、「こんなパスタを作って」とか、「ワインリストが飽きた」とかわがまま放題なんですよ。この前は、常連さんたちとのパーティで、「私が今までいくら、このお店に貢いだのか発表します!」と言って、トータル金額を披露してましたよ。1円単位まで。
林田 すごいな、それは。あ、この前、『選挙カーがうるさいとクレームをつけた話』を嬉々として話す女性がいて、”変わっている私”アピールが正直、うざくて、自分も気をつけようと思いました。
大木 そう、そのわがままな女性のお客さんは、ほかの常連の女性客の、”反面教師”になっているんです。年は52・53歳で、独身で。寂しいんでしょうね。
林田 男性の一人客でも寂しいから、呑み相手を求めて来る方がいますよね。必ず、お会計のときに、「カネがない」って言う方がいます。つけにして、次に来るきっかけを残したいという魂胆。
大木 一人でも、この店でどう過ごしたいのか、わかりればいいんです。誰かと話しながら、食事をしたいというなら、お相手になりますし。本を読むなど、”構ってほしくないオーラ”を出してくれれば、こちらも気が楽だし。こちらに、何を求めているのかがわからないお客さんが困るんですよ。
― 一人呑みへべれけ珍事件簿【6】 ―
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