更新日:2014年10月08日 20:11

一人呑みへべれけ珍事件簿【酒が取り持つ良縁&奇縁編】

仕事の帰りにフラッと立ち寄った店で、静かに気ままに1杯――。そんな一人呑みは、”リセット飲み”とも言われ、いい気分転換になり、精神衛生上、とても良いとか。とはいえ、酒が回れば何かが起こる。夜な夜な、盛り場で繰り広げられる「へべれけ事件簿」は、きっと今宵、誰かと交わす杯のいい”酒の肴”になるはず 酒が取り持つ良縁&奇縁編 一人呑みの翌朝、隣に見知らぬ男。裸で自己紹介した彼が今の旦那 (29歳・主婦)  一人呑みがもたらすのは、なにもトラブルばかりではない。 「バーで常連らしきオジサンが、ボトルキープしていたウイスキーでハイボールをおごってくれた。後日、その店に行き、同じボトルを入れて、『このボトルであのお酒をごちそうしてください』と書いた紙ナプキンをバーテンに預けたところ、また別の日、そのナプキンの裏に、『私と同じボトルをキープされたとのこと。末永く呑み、愛してください』との返事。『東京にも人情があるんだ』と感動し、そのナプキンは宝物」(36歳・女・飲食)と、盛り場では毎夜、ドラマが繰り広げられている。 「一人呑み同士の客として知り合い、20年以上付き合っている友人がいます」(44歳・男・商社)、「一人で呑んでいると、後ろの席の女のコたちの恋話が聞こえてきて、あまりにもひどい男だったので、隣にいたオジサンと、『別れるべきだ!』と説教。そのオジサンとは以降、呑み友達に」(37歳・男・IT)というように、一人同士、たまたま隣り合わせて、気が合えば、生涯の友にも。酒が取りもつ縁は当然、男と女も。 ◆酒席での偶然の出会いがもたらす幸運がある 「口説いてラブホに連れ込んだ女はいとこの彼女だった」(35歳・男・生保)なんて奇遇はご遠慮したいが、「ショットバーで一人呑みした翌朝、ベッドの隣には見知らぬ男。どうやら、バーで意気投合し、その場で交際宣言をしたらしい。裸のまま改めて自己紹介し……その男が今の旦那さまです」(29歳・主婦)と、酒が縁で生涯の伴侶を得ることもある。  日本酒の神様・松尾様はキューピットにもなれば、ときに粋な計らいをするようで、「近所の沖縄料理店は一人でも気楽に入れるので、いつしか常連に。そのお店に張ってあった僕の写真を、たまたま店に来た中学時代の親友が発見。店の人の連絡で14年ぶりの再会! 彼も同じ街に住んでいたとかで、今まで会わなかったのも奇跡なら、この再会も奇跡だと、朝まで呑み明かした」(30歳・男・フリーター)など、感動の再会も演出。  さらには、「隣の人が、得意先の担当者の部下で、商談のアドバイスをもらった」(31歳・男・設計)、「行きつけのスナックで、ママがタチの悪い男に口説かれて困りっていたので、見かねて、間に入ったところ、その男はクライアント企業の男。弱みを握ったつもりはないが、その会社との仕事が格段にしやすくなった」(41歳・男・映像)と、一人呑み故の酒席の縁が仕事に結びつくこともある。  最後にこんな御仁も。 「仕事に行き詰っていた数年前。後輩のトラブル処理に対応した後、会社近くの行きつけのバーへ。酒を呑みながら一人、朝まで仕事を続けるべきか、考えるつもりだった。客はオレひとり。普段はレゲエがかかるバーなのだが、冷やかし半分に最近、聞き始めたマリア・カラスの話をすると、マスターが『あるよ』と、レコードをかけてくれた。その瞬間、会社から電話。新たなるトラブル発生の報告。でもなぜか、『がんばろう』と店を後にすることができた」(31歳・男・マーケティング)。  酒に酔いつつ、自分に酔って、沈思できるのも一人だからこそ。見知らぬ誰かとの、新たな己との出会いに、マスター、もう一杯! ― 一人呑みへべれけ珍事件簿【4】 ―
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