男をつくるY染色体は、やがて滅亡するかも…又吉直樹が専門家に聞くオモロイ話
男性か女性かを決定する性染色体はXとYの2種類があり、XXだと女性、XYだと男性になるというのはよく知られた話。では、Y染色体はどんどん短くなっていて、いずれ消滅する運命にある、ということをご存じだろうか?
そんな驚きの事実が紹介されているのが、『又吉直樹のヘウレーカ! 何気なく感じるフシギを解き明かす』だ。
本書は、お笑い芸人の又吉直樹さんが出演するNHK Eテレの人気番組『又吉直樹のヘウレーカ!』(水曜22:00~22:43)を書籍化したもの。番組では毎回、又吉さんからの素朴な疑問に対し、第一線で活躍する科学者が答える。
Y染色体の消え行く運命については、「“男はつらい”ってホント?」というテーマで、生物学者の黒岩麻里さん(北海道大学大学院理学研究院教授)が解説している。
黒岩:Y染色体って男性にとってなくてはならない存在なんですが、じつは悲劇的な運命が待っている、と言われているんです。
又吉:どういうことですか?
黒岩:Y染色体は、いつか消えてなくなるかもしれない。
又吉:え、この地球上からですか?
黒岩:そうですね。Y染色体にばかり退化が生じて、遺伝子がどんどん減ってなくなっていくという現象が起きているんですね。
又吉:へ~、不思議ですね。
黒岩:それは、染色体が次の世代に引き継がれるときに、特別な仕組みがあって、それが原因だということがわかっています。
又吉:どういうことですか?
黒岩:まず、XXの女性の場合です。お父さんからもらったXとお母さんからもらっ たX。通常、この染色体を子どもに渡すとき、つまり、卵子をつくるときには、染色体同士の腕と腕を交差させて、組み合わせを変えるんですね。これを染色体の「組換え」と言います。
又吉:はい。
黒岩:X染色体同士であれば、腕と腕を交差するのはどの場所でもできます。ですが、XYの男性の場合、Y染色体はXと全然違うものですから、自由に腕と腕を交差することができないんですね。はしっこの部分だけはつくんですけど、これ以外は組換えができないんです。
<さまざまな場所で組換えができるX染色体は多様化し、傷や突然変異が起きても修復されたり、有害なものは淘汰されるという。一方、Y染色体はX染色体同士のような自由な「組換え」ができない。すると、どうなるのかというと……?>
男をつくるY染色体はいずれ消滅するかもしれない
『又吉直樹のヘウレーカ!』 日常の「なぜ?」の果てに僕らは何を見るのだろう?NHK Eテレ(水曜日22時~)で絶賛放映中!!わからない、おもしろい、ヘウレーカ!(わかった) |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ