中居正広、上田晋也…敏腕TVマンが見た、一流芸能人の圧倒的な準備力
SNSの発達により、アウトプット過多になっている現代。その恩恵を受けることも多いが、すぐに答えを求めたり、すぐにアウトプットしてしまう体質になってしまってはいないか? その体質は、すなわち「準備不足」を誘発し、仕事も恋愛も失敗してしまう要因となる。
前回、自身の「準備術」を語ってくれたTVプロデューサーの栗原甚さん。今回は、華やかに見える芸能人の想像を超える「準備」について話を聞いた。
――栗原さんが演出・プロデューサーをされているスペシャルドラマ『天才バカボン』の主演は、くりぃむしちゅーの上田晋也さん。上田さんの「準備力」がすごいとのことですが…
栗原:『天才バカボン2』では、なにか新しいことに挑戦したいと思い、上田さんに「フィギュアスケート」を提案したんです。バカボンのパパがスケートをする姿は、おもしろいじゃないですか(笑)。熊本出身の上田さんに「スケートできますよね?」と聞いたら、「できるわけないでしょ!」って言われて…でも、どうしてもスケートシーンを撮りたくて、すぐにプロットを作ってお願いしたんですよ。
――ははは(笑)
栗原:もちろん撮影では、プロによる吹き替えもできるんですけど、バレますし冷めますよね?
――たしかに視聴者は、冷めるかもしれないですね。
栗原:だから、フィギュアスケートを教えている先生を探してきたんです。上田さんにスケートの練習に行ってもらいたかったので。ちょっとでも滑れるようになれば良いかなって気持ちだったんですけど…上田さん、めちゃめちゃ滑れるようになったんですよ!
――それは、すごいですね!
栗原:上田さんは、かなりお忙しい方で、毎日レギュラー番組の収録があるんです。そんな中、仕事の前とか後にスケート場に行って、コツコツ練習をしてくれたんですよ。3ヵ月以上、ほぼ毎日だと思います。
――それもまた「すごい準備」ですね。
栗原:実は毎回、上田さんには脚本の第1稿から渡しているんです。そのあと準備稿から決定稿になって脚本がブラッシュアップされていくので、だいたい役者さんは決定稿で、セリフを覚えるんですよ。でも上田さんの準備は、すごいんです。第1稿から脚本を読み込んで、すぐにセリフを覚えてしまうんです。だから決定稿を渡したとき、「このページにあったセリフ、どうしてカットしたの?」と質問してくるんですよ。その結果、「じゃあ、このセリフは復活させましょうか?」みたいな議論になったりします(笑)
――上田さんのように意見を言ってくれると、作品の可能性が広がりますよね。
栗原:断然面白くなりますし、作品のクオリティーも上がります。実は、バラエティ番組のロケ台本って、ドラマとは違って全部が全部は書いてないんですよ。芸人さんがロケ台本を超えようとした時、おもしろくなるんです。そういうバラエティ番組と同じスタンスで、ドラマにも取り組んでいるんだと思います。
できないをできるに変えた、くりぃむしちゅー上田晋也のすごい準備
可能性を広げる、一流の準備とは?
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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『すごい準備』 夢を叶えるのに才能やセンスはいらない!仕事にも恋愛にも人間関係にも使える!! |
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