ぼったくりキャバで70万円請求された男、逃げ出した決死の方法とは
「九死に一生を得る」という言葉があるが、状況は違えど誰でも一度くらい「死ぬかと思った……」と感じた経験があるのではないだろうか。
「平成最後の思い出作りのつもりが、マジで死ぬかと思いましたわ」と、数週間前の出来事を振り返るのは、会社員の西田俊太さん(27歳・仮名)だ。
新元号「令和」の幕開けが迫っていた4月某日。西田さんは日本最大級の繁華街、新宿・歌舞伎町にいた。
「その日は仕事で付き合いのある方と飲んでいました。仕事の話から始まり、時期的なこともあってか、徐々に平成を振り返る話題になって。一緒に飲んでいた人は30代半ばなのですが、20代の頃は本当に無茶なことをやっていたそうで。『令和になったらどんどん生き辛い世の中になるんだろうな~』みたいなことで盛り上がりました」
その男性の武勇伝を聞いていた西田さんだったが、その内、思考が間違った方向に働いてしまう。
「昔は気絶するまで飲んでいたとか、キャバクラで揉めてヤクザと言い合いになったとかいう類の話を聞かされて。そんなの、シラフの状態だったら『こいつバカかよ』と心の中で思うんですけど、その日はかなり酒もまわっていたせいか、『この人に比べて俺は面白くないな、深みの無い人生だ』とネガティブな感情に陥ってしまったんです。新時代の幕開けという特別感も、どこかで影響してたのかな」
24時近くになり、終電で帰るという男性と別れた。だが、西田さんはそのまま歌舞伎町に残り続けた。
「本当にアホでした。黙って帰れば良かったのに。でも、さっき言った『深みの無い人生』が頭の中でリフレインしていたんです。テキトーに街をぶらつき始めました」
絶好のタイミングとも言うべきか、「黒人男性が近寄ってきたんですよ」と彼は話す。
「『シャチョー、2000円でいいよ~』と言われ肩を組まれた気がします。当然『うわ、これはやべえ』と思いました。でも、こいつに付いていったらかなり面白いネタが出来るんじゃないかと血迷ってしまったんですよね」
歌舞伎町といえば、よく話題の上るのがキャッチによるぼったくり被害だ。本来なら条例でキャッチ行為は禁止されているのだが、今でも街を歩けばかなりの人数に声を掛けられることから、まだまだ野放しとなっているのが分かる。
それでも、百歩譲って日本人に付いていくのは分かるが、黒人男性の誘いに乗るのは明らかな自殺行為に思えてならない。
「本当に自殺行為ですよね。でも平成最後のイベントだ! と自分を奮い立たせて乗り込みました。幸い、自殺未遂で済みましたけど」
深みの無い人生に……
黒人のキャッチに声を掛けられる
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