年金月額が最大42%増える「繰下げ受給」は本当に得なのか?
10月1日から消費税は10%に引き上げられることになり、将来への不安と政治への不満はますます高まっている。いまや2人に1人が100歳以上まで生きる時代となり、2007年に日本に生まれた子供の50%は107歳まで生きるという研究もあるほどだ。ところが、これから年金をもらう世代の間では「払った分に見合うだけの年金が本当にもらえるのか」という“年金不信”は根強い。
今後は受給開始年齢が65歳から68歳に引き上げられるのはほぼ確実で、将来的には70歳まで引き上げられる可能性もある。さらに物価や賃金などの伸びに合わせて給付額を自動的に抑える「マクロ経済スライド」によって、平均して0.9%ほど年金が目減りしていくといわれている。そこで、少しでも多くの年金をもらいたいと思っている人は検討したいのが、年金の「繰下げ受給」だ。
「繰下げ受給」とは、65歳で年金を請求せず、もらい始める年齢を繰り下げることで年金額が増額される仕組み。1か月遅らせると0.7%、1年で8.4%増える。最大5年まで繰り下げることができ、70歳からもらい始めると42%も増えた額がもらえる。
一方、「繰上げ受給」といって前倒してもらうこともでき、1か月早めると0.5%、1年で6%減る。最大5年まで繰り上げることができ、60歳からもらい始めると30%も減ってしまう。
では、繰り下げと繰り上げをすると、どう変わるのか。『消費増税×老後2000万円問題 最強の解決ガイド』のなかで、年金の繰下げ受給/繰上げ受給についての試算がされている。
通常どおり65歳からもらうのと比べ、繰上げ受給をすると受給額は減るが早くもらい始めることができるため、受け取り総額では多くなる。ところが、ある年齢からは逆転され、受け取り総額は少なくなってしまう。例えば60歳からもらい始めたら、逆転される年齢は76歳となっている。
年金の「繰下げ受給」は本当に得なのか?
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『消費増税×老後2000万円問題 最強の解決ガイド』 消費増税にも老後2000万円不足時代にも負けない「お金の新常識」 |
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