女がドン引いた男の自己陶酔トーク
シャイだといわれる日本人の男性だが、いざ勝負のときとなれば、情熱的な愛の言葉のひとつやふたつ、口にだってするだろう。あ、お気をつけあれ。うっかり言った愛の言葉が女の心を萎えさせることは、意外と多いのである――
戦慄!
空回る男のロマンチシズム
自己陶酔トーク編
恋は盲目とはよく言ったもので、「東京近郊在の男性とデートしたら、『東京から天使が降りてきた』とつぶやかれた」(28歳・派遣)、「飲み会で知り合った人との初デート。ワンピース姿の私を見て言った言葉が『フランス人形みたい』。思いもよらぬ比喩に失笑」(26歳・販売)と、はたからみたら大層イタい言葉が出てしまうもの。
「派遣切りにあったとき、『僕のところに永久就職しなよ』と出入りのおっさんに言われた。今ドキ、永久就職って……」(27歳・IT)という指摘もあったが、「キミは僕の太陽」「オレの終着駅になってくれ」といった、昭和感満載のラブトークだって健在なのだ。
そして新定番なのが、「『空を見て。離れていても、同じ月を見てるんだよ。この時間は二人だけのもの』的なトーク」(25歳・商社)。「夜景を見て『きれい』と感動していると『バーカ。お前のほうがきれいだよ』と言われた」(22歳・学生)などを語る女性は多く、身に覚えのある男性も少なくないはず。
しかし、こうした男のロマンチシズムは往々にして空回り。例え、好意を抱いている男性からでも、「『好きすぎる』といわれて引いた」(36歳・公務員)という女性もいるわけで、「この砂時計が落ちるまでにキミは僕に恋をする」と言われた女性(37歳・派遣)が恋に落ちるはずはなく、「『ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ。オレもお前がいないと死ぬ』とすがられた女性(25歳・警備)からは、「死ねば」と言われる始末。
「昔、彼氏から『かわいい子猫ちゃん』と言われ、鳥肌がたった」という主婦(32歳)もいたが、このセリフが許されるのは、そう、小沢健二(当時)だけなのである。
「ただのネット仲間なのに『運命の人かなと思う今日この頃です』。何を根拠に?」(39歳・看護師)、「付き合ってもいないのに『来世では一緒になろうね』とプロポーズ」(30歳・教育)などと軽々しく運命を口にするのはNG。
「『キミに会うまでの僕は愛を求めてさまよう旅人だった。キミに出会い愛の意味を知った』と言われ、気持ち悪かった」』(25歳・教育)、「『キミがこの地球に生まれてきたことに感謝』と告白され、即座にお断り」(29歳・事務)、「『僕はキミを支えるために神様から遣わされたんだ』って、何者?」(36歳・運輸)、とスケールがデカくなると言葉は軽くなっていくよう。
そんな男にとって「『お前、いい女すぎ。でもお前に甘えちゃダメなんだ。オレ、お前から卒業する!』と一人で悦にいっていた」(27歳・飲食)と、別れも脳内ラブストーリーのクライマックス。
そして……一人だ。
― 女がドン引いた[狂気のラブトーク]に呆然【1】 ―
ハッシュタグ