アフターコロナが不安なキャバ嬢たち。時給は下がってノルマは増えた
緊急事態宣言が解除され、3月頃から続いたコロナ禍も収束に向かっているかに見える。休業を余儀なくされていたキャバクラだが、営業再開する店も出てきた。
「お店が休業する前は、月に何回か遊びにきてくれるお客さんや、今後お金を使ってくれそうな人には毎日LINEしてたんです。『おはよ~』とか『今日ランチこんなの食べたよ~』みたいな日常的な内容で。一見、普通の文章なんですが、あからさまに『お店に来て!』って送るよりも効果的だったんで」(菜絵さん、以下同)
いつもの癖で同じ頻度で連絡を続けていたそうだが、店がやっていない状態で彼女が送る文面は裏目に出てしまったという。
「お店が通常営業している時は毎日連絡し続けると、飲み足りない時や接待の時に私を思い出して来てくれるっていうパターンが多かったんです。でも、お店がやっていない状態だとお客さんも勘違いしちゃうというか……。『この子、俺にマジで気があるんじゃないか』って思っちゃうみたいで。お店が休みだからって、いきなりプッツリ連絡しなくなってもおかしいかなって思ってたんですけどね」
これまで良くしてくれていた客を疎ましく感じるようになったことには、理由がある。じつは菜絵さんには彼氏がいるのだ。そして、自粛期間が長引いたことにより、キャバクラで働く意義を見出せなくなったという。
「私はサラリーマンの彼氏と同棲していて、彼も今はテレワーク。普段、全く生活リズムが合わなくてすれ違ってばかりで、一緒に住んでる感がなかった。この自粛期間で息が詰まるかと思いきや、逆に新鮮で良かったんです。それもあって、もう水商売辞めようかな~、辞めたいな~と思うようになって」
これまで週3~4日ほど出勤すれば月50万円前後を稼いでいたという菜絵さん。経済的に問題はないのだろうか?
「今はとりあえず少ない貯金と給付金で暮らせています。休みが長すぎて、もう以前みたいに働ける気がしない。同じ店の子も言ってたけど、出勤しないとお金はないけど、ないならないで使わない。ホストにハマっているとか借金があるわけでもなく、ダラダラとキャバ嬢をやっていたので、もう戻る理由がないかなって」
ここ2か月の変化で仕事へのモチベーションを失ったのは菜絵さんだけではない。
収入源を失い困窮するキャバ嬢が続出するなか、ようやく待ちに待った“アフターコロナ”の世界がやってくる……はずなのだが、東京都内のキャバクラに勤める菜絵さん(25歳・仮名)は「お店に出勤することを考えると憂鬱です」と嘆く。いったい、なぜなのか?
キャバクラで働く意味が見出せない
1
2
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ