更新日:2020年06月26日 14:12
ライフ

“コロナぼけ”が止まらない人々。いきなり部下にキレてしまい…

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、自粛生活を強いられた約3か月。その間に「体力が落ちた」「疲れやすくなった」「物忘れがひどくなった」「うつ病気味になった」といった不調を自覚し始めた人々は実に多い。これらがリカバリされないままだと、社会全体に停滞をもたらすことは必至だ。男性300人への緊急アンケート結果と具体例から“コロナぼけ”、アフターコロナ症候群の実態をみていこう。
アフターコロナ症候群

※写真はイメージです(以下同)

ボーッとする、人を避ける、キレる。知らぬ間に心が蝕まれ…

 人と会わない生活が続く中でメンタルが悪化したと話す人は多い。35~55歳男性300人に緊急アンケート(都内近郊・5月下旬に実施)した結果でも「人との交流に興味をなくした」(91人)を筆頭に、対人関係に悪影響が及んでいる。  加山秀明さん(仮名・31歳)はリモートワーク中、書類を一枚作成するだけでも過剰な負担を感じ、何時間も手をつけられずボーッとしてしまうようになった。また普段は交友関係が広かったが、今では「Zoom飲み会までしたがるヤツの気が知れない」と吐き捨てる。友人からの着信やLINEにもほとんど返信せず、服装にも興味をなくした。毎日同じジャージで近所を出歩き、寝る時も脱がない。だが「死ぬわけでもないし、このままで問題ない」と話す。 「キレやすくなった」(18人)、「感情の起伏が激しくなった」(14人)との声も。営業チームのリーダーをしている橋本仁さん(仮名・39歳)は「Zoom会議で、話を振っても反応の薄いみなに『なんですぐ返事しねえんだよ!』とキレてしまいました。会社では一度も怒ったことがないのに……」と肩を落とす。 アフターコロナ症候群 占い師の秋田美里さん(仮名・40歳)は客に暴言を吐き、評判を落としてしまったという。緊急事態宣言以降、客足がゼロになってしまった秋田さんは、なるべくお金を使わないよう、一日中ゲームや読書に明け暮れているうちに些細なことでイライラするように。そんな中、ようやく最近リモート鑑定依頼が入り始めたが……。 「お客さんに対し、『そんなことで悩んでどうするの?』『3年前からずっと同じこと言ってるよね。いい加減にしなさい』など、本音が出てしまうように。先日は、あまりにくだらない相談内容に『バカなの?』と言い放ち、お客さんを泣かせてしまいました」  アンケート結果では対人関係への忌避と、感情・思考の停滞が目立った。ストレスにさらされることで容易に健康が損なわれ、要介護や最悪、死に至る高齢者の心身の“脆弱性”が増した状態であるフレイル症状に似て、認知と情緒に障害が生じたためだろう。 <自粛後にメンタルで衰えた点> ※35~55歳男性300人アンケート(都内近郊・5月下旬に実施・複数回答) ・人との交流に興味をなくした 91人 ・人と会話ができなくなった 42人 ・人に気を使えなくなった 38人 ・不眠、抑うつ 27人 ・思考能力が衰えた 24人 ・趣味を楽しめなくなった 22人 ・キレやすくなった 18人 ・着飾る気がなくなった 18人 ・妻・恋人との仲が悪化した 18人 ・感情の起伏が激しくなった 14人 ・他人と争うことが増えた 14人 <取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/根田拓哉 モデル/豊沢朱門 アンケート協力/リサーチプラス> ※週刊SPA!6月16日発売号の特集「アフターコロナ症候群」より
週刊SPA!6/23号(6/16発売)

表紙の人/ マジカル・パンチライン

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