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結婚したらボーナスは「自分へのご褒美」ではなくなった…大企業社員のボヤキ

 12月は待ち遠しかった冬のボーナス月。何かと出費の多い年末は、ボーナスを頼りにしている人も多いのではないだろうか。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、国家公務員の冬のボーナスは、平均支給額5%減の65万3600円であった。とはいえ、支給されるならまだマシだ。ボーナスがゼロだったり減額されたりと、コロナ禍の影響が出ている感は否めない……。  コロナに限らず、結婚や出産・育児などの“状況の変化”によって、ボーナスに対する認識も変わってくるものだ。

結婚後ボーナスは「頑張った自分へのご褒美」ではなくなった

お金

※画像は、イメージです(以下同)

「昨年、私の息子(大吾さん・仮名)は大学入試を控えた受験生でした」  こう話すのは、某大企業に勤める青柳洋輔さんだ(仮名・50代)。 「息子が高校1年生になった頃は、勉強もできない典型的な放蕩息子でした。息子の姿に見かねた私は、『このままでは勘当を検討する』と厳しい声をかけてしまったのです」  息子の大吾さんは、渋々身を守るために予備校に入らざるを得なくなった。その予備校は優秀な講師が多く、成績はうなぎ上りだったという。 「成績が上昇していくことはとても良いことでした。息子も頑張っていました。うれしい一方、これは困ってしまったなと。息子は、まわりの人よりも多くの授業を取るようになっていったのです」  大吾さんが頑張ることで、予備校への出費が重なることに不安が募っていく。そして、大吾さんは難関大学を受験することになり、ますます精力的に勉強に取り組んでいった。親としては本来、喜ばしいことのはずなのだが……。 「貯金は予備校代に消え、夏期講習、冬期講習でボーナスはすっからかん。息子には大学受験を突破してほしい思いはあっても、素直に喜べていない自分が嫌になるほどでした」

息子に“言ってはいけない一言”を投げてしまう

 そして、青柳さんは言ってはいけない一言を大吾さんに向けてしまう……。 「息子に『予備校の金が高すぎて、車が買えなくなった』と言ってしまいました。普通の親なら『よくやってるな』と褒めるべきなのですが、息子が自信満々で成績表を見せに来ても、溜息がこぼれてしまって……」  そして、大吾さんにこう聞かれたそうだ。 「なぜ溜息をつくのか、何かいけないことをしたのか、と。きっと息子はショックを受けていたと思います。息子が生まれる前は、ボーナスで豪遊することが楽しかったんですよ。100万円以上の腕時計を購入したり、20万円程度のワインを飲んだり。ボーナスは『頑張った自分へのご褒美』という感覚で、自分のために使うことが醍醐味でしたから」  大吾さんが成長するにつれ、自分の頑張りが評価されて受け取ったはずのボーナスが、受験のために全て消えてしまう事実にストレスが溜まっていったと話す。 「息子は死に物狂いで勉強を続けて、何とか受験を一発でクリアしました。今は大学生として頑張っています。そして、『最初から勉強していれば高級車買えたよね! 僕が一流企業に入ってベンツ買うから許してくれ』と言ってくれました」  青柳さんは当時、親として率直に喜べなかったことに罪悪感を覚えつつ、本当に良い息子なんだと自慢げに振り返った。
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育児短時間制度利用中の悲しいボーナス事情
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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