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ステイホームで増える骨折。1日に5~10回ジャンプして骨に刺激を

 新型コロナの第3波が到来し、事態は長期化。収束の見えないストレスと生活様式の変化は、私たちの心身をじわじわと蝕み、意外な不調として表れる。緊急事態宣言時にも骨折する子供が急増したという。その理由について整形外科医を取材。最悪のケースを防ぐためにも我が身を総点検し、異常を察知しよう!
男の[体調不良]総点検

休校明けに疲労骨折した子供のX線写真。「新型コロナの長期化で、今後は中高年の“ステイホーム骨折”も顕在化するはず」

運動不足の蓄積で、中高年の疲労骨折がこれから急増か!?

 ステイホーム中に転びやすくなったり、よろけることが多くなったという人は、運動不足で骨が脆くなってしまったことを疑ったほうがいいかもしれない。整形外科医の岡野智氏は次のように警告する。 「緊急事態宣言が解除された6月初めに、普通ならあり得ないわずかな力や期間で疲労骨折をする子供が急増しました。私の務める病院では6月からの1か月半で、前年1年分の患者数に達する異常な事態。自粛期間中の運動不足で、学校活動での運動強度はおろか、骨の強さを維持する上で必要な生活強度すら落ちたことが原因と思われます。  子供のように激しい運動をしていないため顕在化していないだけで、リモートワークとなり通勤時間がなくなった大人も、同様に骨が脆くなっていると予想されます。コロナ収束後に、久しぶりの旅行や運動を考えている中高年は、今後特に注意が必要です」

一日に5~10回ジャンプして骨に刺激を

 骨粗しょう症は女性に多い印象があるが、実は4人に1人は男性。 「しかも、男性が骨粗しょう症で骨折すると、寝たきりなど重症化するケースが女性よりも多いと言われています。女性は検診などで骨密度を測り、早期発見して治療を始める方が多いのに対して、男性は骨折してから気づく人が多いことや生活習慣病の合併が多いというのも特徴です」  だが、骨の強度を維持するのに必ずしも激しい運動は必要ない。 「天気のいい日には日光を浴びながら、荷重を意識して歩くことを心がけましょう。一日に5~10回ジャンプして骨に刺激を与えるだけでも効果があると言われています。それらを続けることで骨の強度が維持され、骨折予防に効果的です」  老後寝たきりにならないよう今から運動を。
岡野 智氏

岡野 智氏

【整形外科医 岡野 智氏】 春江病院副院長。骨粗しょう症や関節外科、リハビリテーションなどが専門分野。スポーツに関わる子供の問題にも取り組んでいる <取材・文/週刊SPA!編集部>
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