個人投資家の9割が「儲かっていない」 日経平均1万円超えでも…
3月14日、日経平均株価は昨年7月27日以来の1万円台回復となった。
ここ3か月ほどで2000円も上昇しにわかに活気づく日本株だが、個人投資家へのアンケートでは、なんと9割近くが「儲かっていない」と回答したという。
9割の人が株で勝てない本当の理由』を上梓したカブドットコム証券・河合達憲氏に聞いた。
「私が毎週行っているオンラインセミナーで218名の個人投資家に’11年の年間損益について質問したところ、『プラスだった』という人は17%でした。一方、『損をした』と『ほぼトントン』という人は合わせて83%だったのです」(河合氏)
マーケットの世界では「個人投資家の9割が負ける」などと、まことしやかに言われるが、決して大げさではなく、ほとんどの投資家があまり儲かっていないという事実を裏付けるデータとなった。
基本的には“上がるか下がるか”だから「50%の確率」であっても不思議はないのに、なぜこれほどまでに株で勝てない人が多いのか?
「いくつか考えられますが、最大の理由は『株はいつか上がるから長期で持ちましょう』『長期投資なら安全です』といった間違った考え方で、“買い一辺倒”の投資をしているからだと考えられます。最近の株価は好調ですが、永遠に右肩上がりが続く相場はありません。これからは買いだけでなく、カラ売りも交えた戦略が必要になるのです」(河合氏)
カラ売りといっても何でも売ればいいわけではなく、現在のような上昇相場では基本的には買いに重点を置いて、”上がっている銘柄”を買うのだ。
「しかし買いだけでなく、上昇の勢いが止まった高値圏ではカラ売り戦略を取ることが大事になります。また、全体の流れにつられて上がった“上がりすぎ銘柄”も、カラ売りを仕掛けるチャンスです」(河合氏)
つまり、常に買い(ロング)から入るのではなく、カラ売り(ショート)も交えた「ロング・ショート戦略」をしようということ。
河合氏の著書『9割の人が株で勝てない本当の理由』では、買いとカラ売りを交えたスイング投資や、長期で10倍になる「超成長株」の見つけ方、短期の機械的なトレード手法などについても紹介している。
昨年は9割近くの人が勝っていなかったが、ここ数か月の上昇で息を吹き返し始めている。また、各証券会社では新規口座開設の問い合わせも急増しているという。
歴史的な長期上昇相場の入り口かもしれない今、冷静かつクレバーにこの大相場を取るためには必読の1冊となりそうだ。 <取材・文/横山 薫>
著書『
『9割の人が株で勝てない本当の理由』 1割の人間になりたい |
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