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コロナ不況の中、田舎町で職を得た男性。年収500万円は地方では勝ち組

 地方へのUターンやIターンを検討する際、大きなネックとなるのが転職問題。もともと首都圏などの都市部に比べると求人数は、圧倒的に少ないからだ。
rirekisyo

写真はイメージです(以下同じ)

 しかも、現在は新型コロナの影響で求人自体が激減している。ちなみに今年1月の全国の有効求人倍率は1.1倍。昨年9月(1.03倍)以降は微増傾向にあるが2020年1月の1.49倍には遠く及ばず、今後再び悪化する可能性も懸念されている。  だが、現在の厳しい転職市場の中でも新たな働き口を確保し、地方移住をした人は多い。6歳年下の妻と3歳になる娘さんとの家族3人で四国へ移住した池田怜次さん(仮名・40歳)もそのひとりだ。

応募2社目で採用が決まり、大阪から四国へ転職

「20代後半から大阪で仕事をしていましたが、数年前に子供が生まれてからはもっとのんびりした場所で暮らしたいという気持ちが強くなったんです。特に大阪はコロナの感染者も多かったですし、早く離れたいと思うようになり、当初予定していた時期を大幅に前倒しして移住することにしたんです」  ただし、引っ越したのは昨年8月末。すでに転職が大変な状況になっていたはずだが、仕事はすぐに見つかったのだろうか? 「はい、幸運にも2社目の応募で採用がもらえました。転職先も同じ職種なんですが業界的に以前から深刻な人手不足で、そのおかげでコロナ禍での景気後退の影響が少なかったんだと思います」  そんな彼の仕事は重機オペレーター。クレーン車やブルトーザー、フォークリフトなど工事現場や工場などで欠かせない重機のスペシャリストだ。池田さんは複数の重機の免許・資格を持っており、業界では非常に重宝される人材だ。 「子供のころから特殊車両が好きで勉強があまり得意じゃなかったこともありますが、高校卒業後に地元四国の土木会社に就職してそこで働きながら免許や資格を取ったんです。でも、20代後半に相手の不倫が原因で離婚してしまい、地元に居るのが嫌になって大阪に来たんです。今回、再び四国に戻りましたけど、そこは地元からは少し離れた場所。さすがに故郷に住むのは気が引けましたが、両親も高齢なので気軽に顔を出せるところがいいなと思って」

山も見えれば海にも行ける

田舎 職場があるのは、彼自身も名前しか聞いたことがなかった小さな町。故郷のある県ではないが高速を使えば実家まで1時間半もかからず「冬場でも気候が温暖で大変住みやすい」と語る。 「瀬戸内海に面した平野部なので地方といっても人は比較的多く、商業施設もそれなりに揃っています。それでも家が密集しているわけじゃなく家の窓からは山も見えれば、ちょっと歩けば海にも行ける。それだけで気分が全然違いますし、この年にして住む場所や環境の大切さというのを知りました。住み始めてからようやく半年経ちましたが、昔からずっと住んでいる故郷にいるような感覚で過ごせています」
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移住して「表情が穏やかになった」と言われた
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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