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「ゲームで稼ぐ」時代は来るか?メタバースとNFTゲームの最新展望

各社が参入する「メタバース」って何?

あつまれ どうぶつの森

メタバースブームのきっかけとも言われている『あつまれ どうぶつの森』公式サイト

 最近ニュースでも取り上げられることが多くなってきた「メタバース」と「NFTゲーム」。今回のコラムでは、その言葉の意味とムーブメントについて簡単に説明していきたいと思います。  まず「メタバース」とは、「メタ(超)」+「ユニバース(宇宙)」を合成した造語。広い意味では、オンライン上で人々がアバター姿で集まり交流や経済活動を行うバーチャル空間を指します。  言葉自体の初出は1992年に発表されたアメリカのSF小説『スノウ・クラッシュ』ですが、昨年あたりからバーチャル空間を指す言葉として盛んに使われるようになりました。2000年代に一時的なブームとなった『セカンドライフ』も、振り返ってみればメタバースの一種でしょう。  今回のメタバースブームの発端は、バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』やコミュニケーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』だと言われています。2020年に『フォートナイト』でアメリカのラッパー、トラヴィス・スコットさんがバーチャルライブを開催し大盛況。ゲーム内と現実のエンタメが接続された空間として認知されました。
フォートナイト

『フォートナイト』公式サイト。他プレイヤーとの交流も人気

 また、同年に『あつまれ どうぶつの森』も有名アパレルブランドや美術館がマイデザインを配布して話題に。アメリカ大統領選のジョー・バイデン陣営がゲーム内に選挙事務所を設置したのも印象に残っています(その後、任天堂はゲーム内での営業・政治活動を控えるよう世界共通の規約を改定しています)。

バーチャルディズニーランドの可能性も

 最近ではゲーム界を超えてメタバースへの参入を表明する企業も増えています。フェイスブックは昨年10月、社名を「メタ」に変更し、年間100億ドルをメタバース構築に投資すると発表。ディズニーもメタバース構想に前向きで、先頃、仮想世界シミュレータの特許を取得したことが明らかになりました。  特にディズニーの動きには注目。仮にバーチャルディズニーランドが作られ、そこで人気のアトラクションやパレードが体験できるとなれば、それだけで人が集まるでしょう。さらに踏み込んでバーチャルディズニーランド内に土地を買えて、アバター用の服やアイテムをデザイン・販売するなどの経済活動が認められる……となれば、ディズニー製のメタバースが覇権を握る可能性は高そうです。  1月18日にはマイクロソフトがメタバース事業進展のため、大手ゲーム企業アクティビジョン・ブリザードを687億ドルで買収するというニュースも飛び込んできました。今年もさまざまな動きがありそうです。  個人的には、ポケモンたちと暮らせる「ポケモンメタバース」や、バーチャルキャンプとしての「モンハンメタバース」が実現したら遊びに行ってみたいですね。人気ゲームシリーズのメタバース化も進んでいくかもしれません。
コール・オブ・デューティ

『コール・オブ・デューティ』など、人気シリーズを数多く抱えるアクティビジョン・ブリザード公式サイト

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稼げると話題の「NFTゲーム」って?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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