STU48・石田千穂が語る、現ハロプロメンバーらと切磋琢磨したスクール時代の思い出
今年3月にグループ結成5周年という節目を迎えたSTU48。瀬戸内地域の7県を拠点として活動している彼女たちは、念願の広島グリーンアリーナでの「STU48 5周年コンサート」を7月10日に達成した。
5周年に辿り着くまでを支えてきた1期生の中でも、石田千穂は6thシングル『独り言で語るくらいなら』、8thシングル『花は誰のもの?』でセンターポジションを二度務めたほか、AKB48のシングル表題曲の選抜入りも経験。ソロコンサートや写真集の発売など単独での活動も多いメンバーだ。
本日7月16日からは、彼女が出演する舞台『パレード』(原作:吉田修一/脚本・演出:平塚直隆)が、東京都・新国立劇場にて開始する。
周年コンサートに続き、初の単独舞台出演という大きな山を迎えようとしている彼女に、デビュー前のアクターズスクール広島(ASH)時代のことから、舞台にかける思いを話してもらった。
(※取材は「STU48 5周年コンサート」の開催前に行った)
──グループを飛び出して初の出演となる舞台『パレード』ですが、石田さんが演じる「大垣内琴美」は、23歳の無職の女の子。石田さんから見て、どんなキャラクターだと思いますか。
石田:琴美ちゃんは、若手人気俳優の彼氏からの連絡をお家でのんびり待っている女の子。何も考えていないように見えて、本当はいろんなことを考えていて、自分の芯があって。それを周りに伝えられるところが素敵だなと思います。
──自分と似ていると思いますか。
石田:私も普段、メンバーに「マイペースだね」とか「何を考えているかわからない」と言われることが多いんです。でも、自分では芯があるタイプだと思っているので、そこは似ているんじゃないかな。負けず嫌いなところがあって「これは負けたくない!」と思うと頑張っちゃいます。
──どんなことで負けたくないと思うんですか?
石田:以前よりは緩和されたんですが、グループ内でのポジションひとつをとっても、ちょっとの前後で結構「うわー!」と叫びたくなるくらい悔しくなる時期がありました(笑)。
──石田さんも通っていたアクターズスクール広島(ASH)から芸能界、アイドル界に進出している人がたくさんいますよね。例えば、石田さんはASH時代に、ハロー!プロジェクトの「Juice=Juice」のメンバーの段原瑠々さんや、元「赤い公園」ボーカルの石野理子さんたちとユニットを組んだこともあるとか。
石田:えっ、どうして知ってるんですか! そうなんです、私、ASHにいたんですよ!
──土地柄、STU48にもASH出身のメンバーがいますよね。そこを卒業していった先輩たちを見て、競争に勝たないといけないんだと思って負けず嫌いが培われた?
石田:いえ、ASH時代は全然負けず嫌いじゃなくて、さぼり癖が強い「ナマケモノキャラ」でした。レッスンには行くし、アイドルになりたいって気持ちもあったけど、お家での練習とかはまったくしなくてよく叱られていました。
──段原さんや石野さんのような当時からスキルの高かった仲間の中にいて、そのときは「負けないぞ」という気持ちは湧かなかったんですね。
石田:その頃は、のんきに「すごいなー」と思っていたくらい。わたしは歌もダンスも全然ダメなほうだったので、上手な人たちに勝ちたいというよりは、異次元の存在のように感じていました。
──「足を引っ張らないようにしよう」という感覚ですらなく。
石田:もう異次元のすごい人たち。その中に入るのではなく、遠くから見つつ「私も頑張ろー」みたいな感じでした(笑)。
──今の石田さんを見ていると、なんだか意外に思えますね。
石田:STU48に入ってから、頑張りが結果に繋がることに気付けたというか……。頑張った部分をファンの方が見ていてくれたり、その結果が次のポジションに反映されたりするのを実感して「私も頑張れば、もっと上を目指せるのかも」と思いました。そうしたら、自然と努力できるようになったし、負けず嫌いになってきたのかな。
──ASH時代は「ナマケモノキャラ」ということでしたが、歌やダンスはあまり好きではなかったのですか。
石田:いえ、どちらも好きですし、今は以前より少しは自信もついてきたと思うんですけど。でも、最初は苦手意識が強かったんです。
──それで言うと、歌とダンス“だけ”で評価されない48グループへの加入は、石田さんに向いていたのでは。
石田:向いていると思います! 過程や頑張りや、ファンの方とのコミュニケーションなども評価してもらえるので。
──石田さんにとっては、48グループは戦いやすいフィールドだったんですね。今、自分の一番の強みって何だと思いますか。
石田:一番の強みは「親近感」です! 握手会などでファンの方と接するときの自分に一番自信があります。友達感覚で、絶対楽しんでいただけると思います! ただ、普段は本当に人見知りなので、ファンの方とお話しするとき限定の親近感なんですけど(笑)。
──アイドルとしての武器は「親近感」。では、今回の舞台『パレード』では何が石田さんの武器で、どんなことを期待されていると感じているでしょうか。
石田:うーん……、「全力さ」を期待されているのかなと思います。舞台経験の豊富な共演者の方たちの中に、ペーペーの私がひとり入るので。未熟な部分がたくさんあるんですが、稽古期間も本番もがむしゃらに、怯えずに、自分を出し切りたいなと思っています。
◆ASHの「ナマケモノ」からSTU48の「負けず嫌い」へ
◆ファンを楽しませることは誰にも負けたくない
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