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「がむしゃらに働いた先に幸せはない」ベストセラーが教える“充実した生き方”とは

世界中のビジネスマンの教科書は何を教えてくれる?

土井英司

土井英司氏

 2000年に発売され、累計410万部を超える大ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』。迷路の中に住む2匹のネズミと2人の小人の前から、ある日突然チーズが消えてしまう。すぐに新たなチーズを探しに行くもの、現状分析をするもの、動かないもの……それぞれ違う行動をとる彼らは、どんな結果を生むのか? そんなシンプルなストーリーで、状況変化にいかに対応すべきかを解説した『チーズはどこへ消えた?』は、アップルやIBMなどの企業で採用され、世界中のビジネスマンの教科書としても知られてきた。  そして、今夏に日本では長らく入手不可能だった、作者であるスペンサー・ジョンソンが『チーズはどこへ消えた?』に続いて書き下ろした『プレゼント』が復刊された。一人の少年が老人から教えられた“プレゼント”を探し求め、真に充実した生き方を手に入れるというストーリーが展開される。果たして、“プレゼント”の正体とは……。  そこで、数々のベストセラービジネス書の出版コンサルティングを手掛けてきたエリエス・ブック・コンサルティング代表取締役の土井英司氏が新作『プレゼント』と『チーズはどこへ消えた?』の魅力を、気になったフレーズや名言と共に解説していく。混迷を極める現代を生きる我々に、定番の名作は何を語りかけるのか。

時代の変化を感じ取るセンサー

つねにチーズのにおいをかいでみること そうすれば古くなったのに気づく (『チーズはどこへ消えた?』より) 『チーズはどこへ消えた?』が発売された2000年当時、本書を読んで強い感銘を受けたという土井氏。20年以上が経過した今でも、その印象は変わらないという。 「本書は、いつも身近にあったチーズがある日突然なくなり、ネズミや小人たちがそれぞれ違った行動に乗り出すというストーリーですが、読むたびに痛感するのが、『ビジネスマンたるもの、常に変化に敏感でいなければならない』ということです。現実世界でも、必ず時と共にチーズの場所は変わっていくもの。私たちも、その異変をいち早く察知し、次のチーズを探しに行かなければならないのだと感じますね」 「チーズ探し」において大切なのが、先に土井氏が挙げたフレーズにもあった「チーズのにおいをかいでみること」だ。 「本書で言及する『におい』とは、時代の変化を感じ取るセンサーですよね。日頃から情報収集を怠らない人ほどセンサーが敏感で、時代のにおいをかぐのが得意です。だから、次のチーズを見つけるのも上手だし、いま目の前にあるチーズが古くなっていることに気が付き、行動に移すことができる。逆に、『時代の変化を感じ取るのが苦手だ』という人は、たくさんの情報に触れて、ぜひ自身のセンサーをアップデートしてほしいと思います」
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チーズはやみくもに探してはいけない
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プレゼント

全世界2800万人が読んだ著者が書きおろす

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