松居大悟監督が令和のロマンポルノにかけた思い「男性優位の作品にしてはいけない」
日活ロマンポルノ50周年を記念する企画「ロマンポルノ・ナウ」。新作映画3本の先陣を切るのは松居大悟監督が手がける『手』(原作・山崎ナオコーラ)だ。
モテない男を描いた『アフロ田中』(’12年)で映画監督デビューを果たした松居は“童貞色”の強い作風で知られていた。それが今年2月公開のオリジナルラブストーリー『ちょっと思い出しただけ』では、リアルな恋愛やコロナ禍での日常を切実に映し、若者から高い支持を得ている。
「これまでは自分にとって一番身近だった男の群像劇、もしくは一番遠い存在の輝いている女性たち、どちらかに偏って撮ってきたんです。それが偶然、今まで避けてきた恋愛や家族を描いた『ちょっと思い出しただけ』と『手』が同じ年に公開となりました」
本作はおじさんの写真をコレクションするのが趣味のさわ子(福永朱梨)が、年の近い同僚の森(金子大地)との恋愛を通して変わっていく様子が描かれている。
「ロマンポルノは10分に1回は性的描写を入れるのがルール。そうした制約があるからこそ、嘘のない人間の交流が描けたと思います。愛し合っているのに、布団やバスタオルで不自然にからだ全体を隠さなくていい(笑)。
だから、声を潜めた会話だったり、じらし合いだったり、二人の恋愛模様を覗き見しているような背徳感を抱きながら、自然にラブシーンにつなげていけました」
令和の新作ロマンポルノ
「制約があるから、嘘のない人間の交流が描けた」
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