仕事

北千住のナンバー1キャバ嬢「怒った客も指名客になる」トーク術

 男に媚びを売るだけの誰でもできる仕事——夜の街で働く女性たちは、そう色眼鏡で見られがちだ。が、実際には、多種多様な客の要求を見抜き、日々の自己研鑽をも必要とする高度な接客能力が求められる。  クラブ、キャバクラ、スナック、ショーパブ…様々な業態で働く女性たちの普段は口にしない“仕事論”を掘り下げ、仕事と人生のパフォーマンスを上げるヒントを見つけていきたい。

帝凜さん

どんなお客さんとも心を通わせる自信がある 北千住キャバクラ「Arietta」帝凜さん

 JR、私鉄、地下鉄を合わせて5路線が乗り入れる東京北部の主要ターミナル駅の北千住。夜の街も、近隣オフィスで働くサラリーマンから商店主、地元住民まで様々な人たちで賑わっている。  そんな北千住の駅前繁華街の一角にあるキャバクラ「Arietta(アリエッタ)」で2年前から働くのが同店ナンバー1の帝凜さん。開口一番「趣味は仕事です」と明朗回答。ケタケタと笑いながら、どんな会話にも笑顔で返す彼女からは、水商売で働く女性にありがちな物憂いな表情は感じられない。  持ち前の明るさで客に元気を振りまく彼女に、夜の仕事に対する思いを聞いてみた。 ——夜のお仕事を始めたキッカケについて教えてください。 帝凜 最初はお金のためでした。地元は京都なんですけど、音大の奨学金の返済のために、バンド活動と並行して、ラウンジで働き始めたのがきっかけです。音楽をやめたのを機に、一度ぜんぶリセットしようと、東京に出てきました。 ——東京に来てからすぐ、今のお店で働き始めたんですか? 帝凜 いえ、最初は昼職を中心にしていたんです。ただ、京都時代には強い上昇志向もなく、なんとなく働いていた水商売に未練というか、やり残したような思いが強くて。北千住は昼職の仕事帰りに寄れる位置にあったので、掛け持ちで働くことになりました。

私、“出勤が趣味”なんです

——そこでお仕事の楽しさに目覚めたと。同じ水商売なのに京都とは客層が違ったんでしょうか。 帝凜 営業スタイル自体は昔から変わらないです。ただ、京都は祇園のお店だったので、ほとんどの方が経営者だったり、接待で使う感じでしたが、こちらはサラリーマンの方が多くて、気軽にトークを楽しめる、馴染みやすい雰囲気がありました。とにかくお客さんと会話するのが楽しくて、お店の人にも「年中無休の店にしましょう。私、休まず働きますから」って交渉したくらいです。 ——年中無休? 休みの日にゆっくりしたいとかってないんですか? 帝凜 はい、私、“出勤が趣味”なんです。休んでる間に気の合うお客さんとの出会いを逃したらもったいないって感じちゃいます(笑)。
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どんなお客さんにも話が合うポイントがある
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