仕事

イーロン・マスクの「Twitter働き方改革」が突きつけた日本の働き方/猫山課長

 note作家の猫山課長と申します。金融機関で課長をしながら、ネットでは働き方やキャリアに関する執筆活動を行い、ありがたいことにSNSなどで多くの反響をいただいています。  今回はイーロン・マスクによるTwitter社買収と、それに伴う一連の「イーロン流働き方改革」について考えていこうと思います。

「ハードコアに働くか、退職するか」

Twitter

itchaznong – stock.adobe.com

 2022年10月28日にイーロン・マスク氏が「the bird is freed(鳥は放たれた)」とツイートし、Twitter社の買収が完了したことを告げました。これまでに5000人規模の人員削減が行われたとみられており、そのアクションは大きな驚きを持って伝播していています。  その騒動のなかでイーロン・マスク氏はTwitter社員に対し「ハードコアに働くか、退職するか。」の最後通告を突きつけるなど、近年の経営者にはみられないマッチョな姿勢を隠しません。  アメリカで起きたことがすぐに日本でも起きるとは限りませんが、一つのトレンドとなる可能性はありそうです。我々日本の会社員の働き方の変革が始まる狼煙として受け止め、働くための新たなマインドをお示しいたします。

“突然現れた”労働環境の是正勧告

 日本では働き方改革関連法案が2019年4月1日から一部が施行され、その中では「1年あたり5日間の年次有給休暇の取得」が企業に義務付けられました。これまでろくに有給を取れなかった企業も多いと思われますので、大きな変化です。  私の勤務する会社でも、いきなり「年に10日以上社員に有給を消化させること」との指示が上から飛んできました。これまで有給を使うことは重罪であるかのような企業風土だったのが、いきなり「10日の有給消化の義務づけ」に変わり驚いたというか呆れてしまいました。あまりに消化してこなかったため、有給に関する基礎知識がなく、慌てて調べたくらいです。  同時に、長時間労働にもメスが入り、残業時間について厳しく追求されるようにもなりました。労働環境の大幅な改善は、突然我々の前に現れたような気がします。  やっと、人間らしい生活が手に入り始めました。しかし、その矢先にイーロン・マスク氏によるTwitter社の買収と「ハードコアに働く」ことへ回帰せよとの主張。我々が向かっている先とは正反対に見えます。
次のページ
経営者が「ハードコアな労働」を求める理由
1
2
金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ