人間の行動力を奪う「タイパ重視」「コスパ重視」という呪い/猫山課長
note作家の猫山課長と申します。金融機関で課長をしながら、ネットでは働き方やキャリアに関する執筆活動を行い、ありがたいことにSNSなどで多くの反響をいただいています。
最近、「タイパ」という言葉を耳にするようになりました。どうやら「タイムパフォーマンス」の略で、時間当たりの効果を指すようです。YouTubeを倍速で見たりして、限りある時間を有効に使おうという姿勢なのでしょう。
加えて、以前からある言葉で「コスパ」があります。説明するまでもなく費用あたりの効果を意味しており、購入行動の際の基準として用いられます。
しかし、コスパやタイパという概念は本当に重要なのでしょうか? 私には疑問です。コスパを安直に求めると、人生が大きく損なわれることになると考えるからです。
例えば、資格への挑戦など新たな行動を起こす時は、それなりの費用や時間が必要になります。かけた費用と時間に対して得られるリターンは釣り合うのか? そう検証するのは間違ってはいません。お金も時間も有限ですから、慎重になるのも当然です。
しかし、たいていの場合、考えれば考えるほど答えは「やらないほうがいい」に近づきます。そして結局何も行動を起こさないまま終わります。そんな経験は誰しもあるでしょう。
これは無理もないことです。なぜなら、アクションを起こす前の自分では、アクションを起こした後の自分を想像できないからです。成長前、つまりアクションを起こす前の自分がどれだけ考えても、コストを投下して得られるパフォーマンスを正しく理解し計算することができないのです。
「コスパ」「タイパ」は本当に重要?
コスパ重視は「やらないほうがいい」と結論付けがちになる
金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager)
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