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恒岡章さんが51歳で死去。ハイスタが音楽シーンに残した「大きな足跡」

 日本にメロコア旋風を巻き起こしたバンド、Hi-STANDARDのドラマー、恒岡章氏が2月14日に亡くなりました。51歳でした。

ハイスタが音楽シーンに残したもの

Hi-STANDARD

Hi-STANDARD公式ホームページより

 90年代半ばに彗星のごとく登場したハイスタ。大手芸能事務所に所属しないインディーズながら大ヒット。その後に主催イベント『AIR JAM』を大成功に導くなど、若者の人気を一気に獲得しました。    平成の真っ只中に青春時代を過ごしたアラフォー、アラフィフにとって大きな存在だったハイスタ。彼らが音楽シーンに残したものを考えてみたいと思います。

“ロックの荒々しさ”が影を潜めていた90年代初頭

 ハイスタ登場前の音楽チャートは、ZARD、WANDSなどのビーイング系、小室哲哉プロデュースのTKサウンドに、ヴィジュアル系のGLAY、LUNA SEA、L’Arc~en~Ciel。加えてサザン、B’z、ミスチル、ドリカムといった大物がミリオンヒットを連発していました。  同時に小沢健二やORIGINAL LOVEなど、いわゆる渋谷系のアーティスト達もスマッシュヒットを飛ばし、マニアックなサブカルチャーが市民権を得た時代でもあります。  マーケットが豊かになることでジャンルが細分化し、バラエティに富んだ表現の音楽を楽しめたわけです。    その一方でロックの原始的なパワーやわかりやすさは影を潜めていました。プロデュース力や作曲技術が洗練されていくのに反して、荒々しさが失われてしまったのです。
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ど真ん中をストレートでぶち抜く潔さ
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

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