「30代は絶望しかない」俳優・三浦貴大はいかに人生を楽しむようになったか
インターネット巨大掲示板「2ちゃんねる」に試用版が公開されたファイル共有ソフト“Winny”がシェアを伸ばし次第に悪用され、2004年に開発者・金子勇氏が著作権法違反幇助の容疑で逮捕された。その実話に基づく映画『Winny』の公開がスタートし、評価を集めている。
金子勇さんを演じた東出昌大とともにW主演を務め、彼を弁護した弁護士・壇俊光さんを演じたのは、昨年放送されたドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』の好演も話題を集めた三浦貴大(@TakahiroMiura_o)。
現在も現役の檀弁護士は、本作の法廷シーンの監修も務めている。本人が目の前にいたわけだが、演じるにあたって、難しさよりも「楽しさ」をまっさきに思ったと口にする三浦からは、芝居に対するポジティブな空気が感じられた。しかし数年前には「ずっとキツくて。芝居も本当に辞めようと思っていた」という。30代後半、何が三浦を変えたのか?
――実話をベースにしていますが、三浦さん自身は当時、ファイル共有ソフト「Winny」のことを知っていましたか?
三浦貴大(以下、三浦):はい。もともと「2ちゃんねる」も見ていたので、「Winny」のようなファイル共有ソフトのことは、使ってはいませんでしたけど、存在は知っていました。
ニュースになったときも、「2ちゃんねる」の人たちがどう思っているかというのはなんとなく見ていました。ただ深くは全く考えていませんでしたね。今回、映画を通して「Peer to Peer(P2P)」という技術が、どんなに(時代を)先取りしたものだったのかということも分かりましたし、本当にすごい人が捕まってしまったんだなと。
――本作では、金子さんを弁護した壇(俊光)弁護士をモデルとした役を演じました。オファーを受けた際、率直に何を思われましたか?
三浦:実在の人物を演じることが楽しそうだなと思ったのが、まず最初です。
――「楽しそう」ですか? 難しそう、ではなく? 今も現役の弁護士さんですよね。本作の監修もしてらっしゃいますが。
三浦:何をやるにしても、どこか難しくないと面白くない部分もあると思うので。「楽しそう」が第一でした。物語に関しては、マスコミの報道とか、当時もなんとなく知ってはいましたけど、実際に関わっていた当事者である壇さんの視点で見られることが、すごく興味深かったです。
映画には人に知らせたり広めたり、伝える力がありますが、警察や司法が完全に正しいものであるということもなければ、逆に全部が間違っているという話でもない。いろんなことを知っていくことの、ひとつとして、この作品が、多角的な目線で物事を見られるきっかけになるといいなと思います。
当時から事件のことは知っていた
実在の人物を演じるのは「楽しそう」
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ