店舗激減の「はなの舞」。焼肉業態、海外拠点が失敗…それでも黒字化を見込むワケ
海鮮居酒屋チェーンの「はなの舞」や「さかなや道場」、「魚鮮水産」を展開するチムニー株式会社は、もともとはジャスコ(現イオン)で事業を始め、のちに株式会社やまやの傘下で規模を拡大してきました。
しかし、コロナ禍で業績が悪化しグループ全体で約250店舗が閉店に追い込まれました。新たに始めた焼肉業態店も打開策とならず、グローバル展開の布石として進出していたベトナムからも撤退してしまったようです。1984年の設立以降の歴史、そして近年の業績推移について取り上げたいと思います。
チムニーという社名は馴染みが薄いかもしれませんが、居酒屋「はなの舞」を見たことがある方は多いことでしょう。まずは同社の事業形態について解説します。コロナ禍以前の2019/12期末時点でチムニーは713店舗(内FC店は274)を展開。
様々な業態の店舗を手掛けていますが、主力は海鮮居酒屋です。「はなの舞」は298店舗、「さかなや道場」と「魚鮮水産」は計210店舗展開していました。はなの舞は海鮮居酒屋を謳っていますが揚げ物や餃子などのいわゆる“チェーン居酒屋メニュー”も豊富で、同社想定の客単価は「2,600~2,900円」です。
一方、後者2ブランドは海鮮メニューにより力を入れており、想定客単価は若干上がって「2,800~3,300円」となっています。ちなみに同社は一般向け以外にも、病院や官庁内の飲食店として約90店舗の「コントラクト店」を運営しています。
チムニーは1984年、ジャスコ(現イオン)の居酒屋フランチャイズ事業展開を目的として設立。同年に直営1号店を開店し、1986年にFC1号店をオープンしています。現在の主力である「はなの舞」は、寿司居酒屋として1995年に1号店が設立されました。
1999年にはグループ全体で150号店を達成しましたが特に「はなの舞」の成長は著しく、はなの舞業態としては2003年に100店舗、2006年に200店舗を達成しています。2006年には主力の一つでもある「さかなや道場」1号店を開店しました。2009年にはグループ全体で500店規模となり、2012年には東証2部への再上場、そして2014年には東証1部への鞍替えを果たしました。
客単価3,000円の海鮮居酒屋が主力
ジャスコの居酒屋FC事業として始まる
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ