日高屋「ちょい飲み需要」で客数9%増、幸楽苑は「290円中華そば」が誤算、値上げの王将は?4大中華チェーンの現在地
東京近郊では知名度が高い日高屋ですが、関東地方以外ではあまり知られていません。一方、幸楽苑はかつて290円の「中華そば」を提供し、安さを武器に西日本へ進出しましたが、すでに撤退済み。現在は東北、北関東などロードサイドを中心に展開しています。
関東圏に留まる日高屋・幸楽苑に対し、全国的に展開しているのが、餃子の王将と大阪王将の2社です。餃子の王将は日高屋が現れる以前から関東に進出し、足場を固めました。大阪王将はFC主体で個店の色が強く、客単価がやや高いのも特徴です。
本記事では、この4チェーンの特徴をまとめつつ、業界の今後について考えてみようと思います。
日高屋は東京都の駅前を中心に出店しており、乗降客数の多い駅では出口の両側に出店することもあります。武器はやはり安さと夜間の「ちょい飲み」需要の開拓です。
中華そばは値上げしてしまいましたが、24年12月まで税込390円を死守していました。中華そば、餃子、生ビールの3点で1000円以内に抑えるためです。値上げ後も他の飲食チェーンと比較した際の割安感は変わらず、25年の客数は前年比で9%増を推移しています。コロナ禍で落ち込んだちょい飲み需要も回復しました。
とはいえ、駅前以外に出店しにくいという弱みがあります。日高屋の安さを支えているのは埼玉県行田市にあるセントラルキッチンです。工場から離れた場所では低価格を実現できず、また、地方のロードサイドではちょい飲み需要が低いという側面も。近年では北関東のロードサイドに出店し、郊外型店舗の開発を進めています。
幸楽苑は福島県会津若松市を地盤とするチェーンで、東北や北関東を中心に出店しています。デフレ時代には中華そばを日高屋よりも安い290円で提供し、安さを武器に全国展開を図りました。2004年に京都、翌年には大阪、兵庫、奈良に進出し、2007年には京都に工場を構えました。
しかし、一時は中華そばの売上が全体の3割を占め、利益を圧迫しました。15年に290円での提供を廃止して、当時から店舗のスクラップ&ビルドを加速。不採算店の閉鎖を進めました。幸楽苑は東北・関東でのドミナント出店が強みでしたが、店舗数が少ない関西では効率が悪く、黒字の店舗も少なかったようです。
現在では極端な安売りをせず、中華そばを490円で提供しています。麺類は醤油・塩・味噌の3種類のほか、つけ麺を提供し、よくも悪くもスタンダードな中華屋という印象です。
定食メニューは他社より少ないですが、カレーライスを提供しています。店舗数はピーク時で400店舗を超えていましたが、コロナ禍での業績悪化を受けて縮小しました。24年には意思決定の迅速化などを目的に持株会社体制を解消しています。

中華食堂 日高屋 浅草橋店
“駅前に強い”日高屋
一時は“安さ”に首を絞められた幸楽苑
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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