更新日:2023年08月22日 18:20
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たばこの“いつもと変わらない味”はどう作られる? 葉たばこ研究施設を訪問

葉たばこの研究施設を訪問

LTRC

葉たばこ研究所(栃木県小山市)

 メビウス、ピース、セブンスターーー愛煙家の誰もが、お気に入りのたばこ銘柄を持っている。味や香り、商品イメージ等、お気に入りに至る過程・こだわりは人それぞれだが、“いつもと変わらぬ味”であることが、毎日のつかの間の一服を愉しめるということに異論はないだろう。が、一つ疑問が残る。各銘柄の“いつもと変わらぬ味”はどのように作り出されるのか。例えばセブンスターであれば、“セブンスターのたばこ畑”のようなものが存在するのだろうか。疑問を解消すべく、JTのLeaf Tobacco Research Center(葉たばこ研究所。以下、LTRC)を訪れた。  栃木県小山市に約26ヘクタールの敷地面積を擁するLTRC。16ヘクタールほどの圃場で実際に葉たばこを栽培し、遺伝子研究や品種開発、成分分析技術開発など幅広い分野を取り扱っている。葉たばこに関する研究開発拠点はブラジル、ザンビアにもあるという。 「100を超える国々で葉たばこは生産されています。中国が最大の生産量でブラジルでも盛んです。もちろん国内でも生産されています」(LTRC Senior Researcher 坂口道雄氏)

葉たばこの主要3品目

 ナス科タバコ属の葉たばこは、一年草で南米原産。大きく分けて黄色種、バーレー種、オリエント種の3種類。それぞれ以下のような特徴がある。 ・黄色種 主に温帯地帯で栽培。葉は肉厚で鮮明な黄色。糖含量が多く、甘みを含む豊かな香り。 ・バーレー種 黄色種よりやや冷涼な地域で栽培、草丈が高く葉も大きい。葉は薄く褐色。チョコレートのような香り、煙量がある。 ・オリエント種 トルコ、ギリシャなど地中海性気候の地域で栽培、草丈は低く、葉も小さい。豊富で優雅な香り、黄色種・バーレー種の味・香りを調和する。

乾燥用ハウス

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