高齢ドライバー「ペダル踏み間違い」事故の原因は、運転中の姿勢にあった!?
警察庁の調査によりますと、2022年に自動車やバイクで75歳以上の運転者が起こした死亡事故は前年比33件増の379件に上り、死亡事故全体に占める割合が過去最高の16.7%となったそうです。
75歳以上の高齢運転者による死亡事故を人的要因は、操作不適による事故が28%と最も多く、このうちハンドル操作不適が13.7%となっています。また、ブレーキとアクセルによる踏み違い事故は、75歳未満が全体の0.5%に過ぎないのに対し、75歳以上の高齢運転者は全体の7.0%と高い割合になっています。
高齢ドライバーの事故を防ぎ、これからもずっと安全運転を続けていくための対策をご紹介いたします。
実際の問題を完全網羅したムック『運転免許認知機能検査模擬テスト2024年版』(扶桑社刊)。ここでは本書より一部抜粋し、再編集してお送りします。
高齢ドライバーが事故を起こしやすい時間帯や天候の時に運転を控えることを「制限運転(補償運転)」といいます。
ドイツやスイスなどでは現在、「昼間限定免許」「場所限定免許」が導入されており、高齢者ができるだけ長く運転を続けられる施策が行われています。
日本でも導入が検討されてはいますが、まずは自主的に自分の運転を制限することによって運転寿命を延ばしていきましょう。
高齢ドライバーは、以下の5つの状況下では運転を控えましょう!
①体調がよくない
運転は元気なときに! 体調がすぐれない時や薬を飲んだあとは家族に運転を頼んだり、タクシーを使いましょう。
②長時間の運転
疲れによる集中力の低下は事故のもと。「1時間だけ」など、運転する時間を決めてドライブを楽しむのが吉!
③夕方や夜間の運転
暗い道での運転はいつもより視界が狭くなり危険です。昼の時間帯の明るい道を運転しましょう。
④通学時間帯の運転
ほかの時間帯に比べ、朝方の通学時間帯は小さな子どもなど歩行者の数が激増し、大きな事故につながりやすいです。
⑤雨が降っている
雨や雪など悪天候のなかでの運転は、視界が悪く道も滑りやすくなります。無理な外出はせず、運転を控えることで事故防止につながります。
上記でも触れましたが、加齢により一番起こりやすい運転ミスが、アクセルとブレーキのペダルの踏み間違い。
ペダルの踏み間違いはとくに駐車場などでの後退時に起こりやすい傾向があり、大事故につながるケースもあります。
年齢別のペダル踏み間違いが原因の事故割合を見ると、75歳以上が最も高くなっています。これは、加齢に伴う運転姿勢の変化が原因と考えられます。
高齢者を対象に行われた後退時のペダル踏みかえ動作の調査によると、右方向を向く際、高齢ドライバーは足先が右方向を向いてしまいがちです。これは加齢による体の硬さが原因と考えられています。
これによってアクセルペダルに近い場所を踏みやすくなり、事故につながると考えられます。まずは、正しい運転姿勢をマスターして、駐車場などでの事故を防ぎましょう。
マイルールで運転寿命を延ばす! 制限運転のすすめ
事故で多いペダルの踏み間違いは「座る位置」で改善できる!
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