残業時間を競っていると洒落にならない事態に
―[マジで怖い[職場の奇病]症例集]―
ストレスや多忙からくる体調不良や仕事中につい出てしまう癖……。こうした”職場の奇病”は、ひょっとして心の悲鳴!? 放置しておくと大変なことになることも。なんでもかんでも「ストレス」と言うのもいかがなものかと思いつつ……。人員&コスト削減→業務量過多の労働デフレスパイラル状態の今、体の声に真摯に耳を傾けるべし!
【多忙の果てに】
残業時間を競っていると洒落にならない事態にも
「新システムの導入がうまくいかず、クレーム処理と障害対応で月100時間残業。ストレスで体中を掻きまくり血だらけ」(34歳・男・商社)と、過酷な労働に健やかな体も次第に蝕まれていく。
「一日中入力作業をしていたら、手首が震えだし気分が悪くなって病院で点滴」(41歳・男・通信)、「ずっとPCとにらめっこしていたら、ボーッとすると目の前で小さな白い虫のようなものがせわしなく動く」(36歳・女・商社)、「2か月間徹夜でPCに向かっていたら両腕を脱臼」(38歳・男・IT)など、こうなるとデスクワークも、もはや肉体労働。
「工場近くの寮に隔離されて月200時間残業。同僚は朝、布団に伏せて苦しそうにもがき、起き上がれなくなった」(35歳・男・デザイン)と仕事に行けなくなる人がいれば、一方で「土日なく出勤していたので、たまの休みでも気づいたら出勤していた」(25歳・男・IT)なんていう人もいて。どんだけ仕事熱心なんだよ!?
「新プロジェクト立ち上げ時、たった3人のチームでハードな仕事をこなしていたら、円形脱毛症に。メンバーに打ち明けると、なんと彼らも円形脱毛症。ハゲた頭を見せ合って励まし合った」(35歳・男・通信)なんてのは微笑ましい。
また、「会議室の机で寝ていたが、忙しくて会議室へ行くのも面倒で、椅子を並べて仮眠。数日後、なぜか座っているだけで足がしびれるようになり、レントゲンを撮ったら腰が疲労骨折してた」という男性(40歳・IT)の話も、月150時間の残業が原因かと思いきや……太りすぎて「体重の重さで腰が骨折した」とかで、激務には同情するが笑えるエピソードだ。
しかし、やはり異常なほど過剰な労働のヤバさを教えてくれるのが、デザイナー(30歳・女)の話。
「耳への痛みを覚えながら、15日連続出勤、終電帰宅の過酷な日々を経て1週間ほどたったある朝、口をゆすいだ水が突然あらぬ方向に飛び、鏡を見たら唇が歯の診療の麻酔後のように腫れている。病院に行くと、耳に帯状疱疹(たいじょうほうしん)ができ顔面麻痺になる『ラムゼイ・ハント症候群』と診断され、即入院。それから顔半分が重力でどんどん下に下がり、ひどいことになった。でも当時は精神的にもおかしかったのか、『青空が見える部屋で、規則正しい生活に栄養のある食事がとれて私は幸せだ』と思っていた」んだとか。リハビリを続け顔面の麻痺は治ったが、神経痛と頭痛は5年たった今も残るとか。「当時はやはり、異常な働き方だった」と冷静になれるまで、かなりの時間を要したという。
― マジで怖い[職場の奇病]症例集【5】 ―
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