「拒否しない=イエス」とは限らない……性的同意の4つの重要ポイント|鈴木涼美×みたらし加奈
後戯の重要性を、果たして男はどれほど理解しているのか。テクニック自慢の20~40代男性に自身が行っている「性行為後のケア」を調査し、女性100人にアリ・ナシ判定をしてもらった。
調査の結果、男性がよかれと思ってしていた言動が、実は女性にとっては不快だった…というケースが多発。男女の性意識の差やギャップが浮き彫りになった。では、男性は性行為後も円満な人間関係を築くために、どのような事後ケアが求められるのか。
男女を取り巻く社会問題に精通する作家・鈴木涼美氏と、性被害についてSNSで発信する臨床心理士・みたらし加奈氏とともに、昨今話題の“性的同意”を踏まえての意見を聞いた。
鈴木:(「『体きれいだよね』と女性のスタイルを褒める」「『お互いに遊びだったけど、また機会があれば』とお礼LINEを送る」など、テクニック自慢の男性たちが行っている「アフターケア」を見て…)なんというか、“女性をモノ”として見ていたり、“上から目線”な回答が滲み出ていますよね(苦笑)。
みたらし:相手をモノではなく、人としてコミュニケーションを取るという意味では、事前も事後も同様にケアは大切です。
鈴木:昨今メディアを賑わせるような「●●さんに会わせてあげるよ!」という“条件”やお金といった対価をチラつかせながらも、性行為を終えたらほごにする、態度が急に冷たくなる、といった男性はそりゃ確実に揉めますよね(苦笑)。多少遊んでいても揉めない人は、「人間として粗末に扱われた」と思わせない巧みさがあると思います。
みたらし:その“巧みな事後ケア”に私は怖さを感じることは事実です。
──その怖さとは?
みたらし:「大丈夫?」という言葉にも、社会的立場が上下で意味合いが変わってきますし、上から言われたら「はい……」と答えざるをえない。マインドコントロール的な危うさがある。今回の特集を踏まえて臨床心理士として指摘しておきたいです。
鈴木:性行為では男女が平等でなくてはいけない。「あんな男と性行為して後悔した!」と思うか、一夜限りだったけど「いい思い出」とするか、事前や最中、そして事後ケアを含めて、長い時間をかけて形成されていくものだと思いますけどね。
事後ケアだけでなく、事前のケアや同意が大事
“巧みな事後ケア”に潜む恐ろしさ
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