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会社の完全分煙で何が変わる? SPA!オフィス内に設置された喫煙ルームの威力、移転先でも継続中

社外に放り出された喫煙者たちの怒りが結実

 令和元年の厚生労働省の統計によると、喫煙習慣者の割合は男性27.1%、女性7.6%。同男性55.3%、女性9.4%だった30年前の平成元年の調査と比較すると、自明のことだが成人喫煙率は減少の一途をたどっている。我がSPA!編集部もご多聞に漏れず。現在の編集部の喫煙率は男女合わせて34.3%と、現代の男性喫煙率より上回りはするものの、まだ各デスクに灰皿が置かれ、フリースモークだった十数年前の編集部の光景を思い浮かべると、隔世の感がある。
社内分煙

10年前、編集部に設置されていた喫煙所の一つ。いま見れば、これでは分煙できない

 当時喫煙可だったオフィス環境は、次第に分煙化へと進んでいったが、分煙した当初は会議室一つをつぶして空気清浄機を数台置くだけといった、分煙設備が整ったとはいえない状況で、「扉を開けるたびにたばこの匂いがオフィスに流れる」「ニコチンが降り注いでPCが故障した(!?)」などの苦情が殺到。ついには「平日夜8時までの喫煙を禁じる」といった身もフタもない会社の指令が発動し、これには当時半数近くいた編集部の愛煙家たちが一斉蜂起し「たばこが吸える夜間しか会社に行かない」とサボタージュを展開。「会社というものは社員の手間と労力と時間で成り立っている。外の喫煙所とオフィスを往復する時間を強いるなんて言語同断」と、最新の分煙脱臭機器「VFLJP」の導入を会社に認めさせ、会社内に喫煙所設立に至ったのだ。

自社ビルでなくても工事が可能

完全分煙を目指して、会社に導入した分煙脱臭機器「VFLJP」。大企業の巨大サーバのような風格。プレフィルタからプラズマ、微粒子、脱臭の3つのゾーンを通り、たばこの臭いを92%脱臭する恐るべき威力だ

 会社はテナントという形でビルに入居しているため、ビルに穴を開けて屋外に排気するという手法がとれなかった。が、導入した分煙脱臭機器「VFLJP」は、機器内部で臭いの元となる粒子状物質とガス状物質の90%以上を除去、そのままきれいな空気をオフィスへと排出するという流れのため、屋外と接している必要はない。喫煙ルームの入り口は開きっぱなしで「これで分煙できているの?」と訝しむ向きもあろうが、入り口から喫煙ルームに向けて常に風速0.2m/s以上の空気が流れているため、煙が外に漏れ出すことはない。たばこを吸っている人の服についた匂いも除去してくれるため、オフィスに戻って「たばこ臭い」と言われることもなく、現在に至るまで完全分煙を実現することに成功したのだ。「VFLJP」の導入に関しては、オフィスの分煙環境を推進するJTのアドバイスとコンサルタントあってのものだが、会社の愛煙家たちを代表して、改めてお礼を言いたい。  そして時は流れ、今年2月、会社は移転することになった。エリアは同じ浜松町だが、取り壊しが予定されているオフィスビル10Fから、別のオフィスビルの19Fへと移動。昨今のオフィス環境のトレンドに追随し、フリーアドレスを採用。省スペース化が図られることとなった。
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新社屋に移転、喫煙ルームはどうなった?
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