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会社の完全分煙で何が変わる? SPA!オフィス内に設置された喫煙ルームの威力、移転先でも継続中

新社屋に移転、喫煙ルームはどうなった?

新社屋に移転した喫煙ルーム。奥に鎮座する「VFLJP」の風格には威厳すら漂う

 省スペース化と聞いて、危惧したのが「喫煙所は新オフィスにも移転されるのか?」の問題。移転のタイミングに合わせて、前述した「ニコチンがPCに降り注ぐ」などエキセントリックな自論を展開した会社内の嫌煙家が、敷地内全面禁煙の官公庁の例などをとりだし、喫煙所撤廃運動を展開することを恐れていたからだ。  が、その心配は杞憂だった。やはり「VFLJP」の導入以来、たばこの煙も匂いも漏れさせずに稼働を続けた10年間の実績が、かつて修復不可能と思われていた、職場内の喫煙者vs非喫煙者の溝を取り払ったのかもしれない。社屋移転に伴い、晴れて喫煙所もお引越しとなったわけだが、社員たちの感情の実際のところはどうか、新社屋での喫煙ルームの是非について、会社内の非喫煙者に聞いてみた。 「オフィスの外にたばこを吸いにいかれると、『なに長い時間かけて隠れてさぼってるの?』って気になるけど、目に見えるオフィス内の喫煙ルームであれば、そういうストレスはない。急用の要件を伝えたいときも喫煙所にいけば事足りるし、フリーアドレスになった今、居場所もわからずイライラするよりも、いる場所がわかるほうがメリットが大きい」(41歳・女性) 「やっぱり臭いがしないのが一番いいと思います。街中の喫煙所には入る気もしないし入る理由もないけど、ここの喫煙ルームは入ってもたばこ臭くないのがいいです」(35歳・男性)

微粒粉塵を97%以上、たばこの臭いを92%脱臭、TVOC95%以上除去された綺麗な空気は、ここから非喫煙ルームに吐き出される仕組み。屋外に排出する必要なし!

入り口は空いたままだが、煙の流れを見ればおわかりのとおり、空気の流れ(風速0.2m/s以上)は、常に外から中へ一方通行。煙が入り口から漏れることはない

完全分煙は企業の至上命題。導入の前向きな検討を

 10年前に導入されたVFLJPだが、現在、厚生労働省が定める屋内喫煙所のガイドライン(入り口から風速0.2m/s)にも適合している。完全分煙に向けて注力するのは、企業にとって至上命題といえるが「たばこは公共の喫煙ルームを利用しろ」と、喫煙者を社屋から追い出すことで業務効率を阻害するのであれば、本末転倒もいいところだ。オフィス内の喫煙ルーム導入については、条件次第で工事費用の助成金を申請することもできる。詳しくは厚生労働省のホームページを参照してほしい。 参考:厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)」 取材・文/日刊SPA!取材班
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