「安いからといって安易に飛びつかないで」杉本彩が保護犬・猫ブームに思うこと
動物愛護活動家として20代の頃から活動するタレントの杉本彩さん。講演や法改正への働きかけなどさまざまな活動を行なっているが、昨今の保護犬・猫ブームをどう見ているのだろうか。
「現在、動物愛護ビジネスが横行している問題があります。繁殖・販売業者がいらなくなった犬・猫を保護犬・猫といって、里親に押しつけたい現状があります。しかし、それは本来の保護犬・猫とは区別すべき。お迎えするときには、どこで生まれ、どうやって団体のもとへ来たのかをきちんと見てほしいですね」
繁殖・販売業者が不要となった犬や猫を引き取ることは、悪質な繁殖・販売業者を善良な里親が下支えすることに繋がってしまうからだ。
それだけでなく、「飼えなくなった」「飼育放棄や虐待現場などから助け出された」というような本来の保護犬・猫が引き取られにくい状況もつくり出してしまっていると指摘する。
「善良な民間の保護団体や行政の施設から譲渡してもらうことが動物の幸せのために大切です。そのためにも正しい情報を見極め、注意深く、冷静な視点で判断をしていただきたいですね」
特に繁殖・販売業者が不要となった犬・猫は純血種も多い。だが、「ペットショップより安いのでお得」と安易に飛びつかないようにすることが大事だ。
「日本のペットビジネスは大量生産・大量流通を前提に成立しています。それはまるで工業製品のようです。つまり、動物の命も同じように“生産ロス”を生んでしまっています。命を物と同じように扱う現状を早急に改めなければいけません」
ペットを受け入れる側にも責任がある。悪質事業者に加担することは避けたいものだ。
【杉本彩さん】
京都府生まれ。タレント、動物愛護活動家。20代から動物愛護活動に携わり、’14年に動物環境・福祉協会Evaを設立(翌年、公益財団法人として認定)。著書に『それでも命を買いますか?』(ワニブックス)などがある
取材・文/週刊SPA!編集部
※5月28日発売の週刊SPA!特集「[保護犬・猫ブーム]の知られざる闇」より
動物愛護活動家の顔を持つ杉本彩が語る問題点
是正すべきは大量生産・大量流通
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