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58歳で早期退職して始めた“第2の人生”「ここ半年は会社員時代より収入は多いです」娘の反応は

移住、開業、趣味……各分野で老後を狂ったように充実して楽しむクレイジー老人たち。彼らの清々しいほどに振り切った生きざまには、人生100年時代を後悔なく生きるための秘訣が隠されている?

定年後再雇用が始まる前に会社を退職

[クレイジー老後]のススメ

青江亜希さんは、愛娘の結婚を機にカミングアウト。ショックを受けた娘だが、「今はボトルが入ってます(笑)」

「還暦が迫って定年後再雇用が始まる前に58歳で会社を退職。女装子バーを開業しました」と、妖艶な笑みで語ってくれたのは、東京の下町・三ノ輪で、2年前に女装子バー「ブルーベルベット」を開店した青江亜希さん(60歳)。 「会社員時代は店舗開発に携わり、数人の店長を指導する立場でした。24歳で結婚し、愛娘も授かり、マイホームパパを目指したけど私も嫁も若く、結婚生活への期待が大きすぎて……ほどなく夫婦関係は破綻し、34歳で離婚。やっぱり無理はいけないですね」

移り住んだ街で女装して夜の街を徘徊

自身の性的指向は男性。42歳で移り住んだ三ノ輪でも女装して夜の街を徘徊。飲み屋コミュニティで知られた存在となる。 「52歳のとき、飲み友達のオーセンティックバーのオーナーから誘われて、日曜だけママをやることになって。当初は常連さんが私を見るなり、外に出て看板を確かめてました(苦笑)。6年半ほどママの修業を積んで、お客さんがある程度ついたので店をやる算段ができた。女装趣味のための開店じゃないんです。再雇用で会社にしがみつく選択肢もあったけど、65歳以降の人生は白紙。でも、水商売は気力と体力さえあれば続けられるし、定年もないですからね」
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ディープな三ノ輪の地縁が後押し
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