ド底辺飲食店の背景にある「部活・ヤンキー文化の復活」
◆部活感を出すことで過酷な勤務を正当化
デフレの波に揉まれ、低賃金・過剰労働・サービス過多が蔓延る外食産業。そこは、労働環境はむろん、従業員も客もド底辺という凄まじい魔境になっていた。
SPA!ではこれまで、その惨状をお伝えしてきたが(詳細はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/268217)、値下げ合戦、コンセプト合戦の繰り返しでここまでやってきた飲食店について、流行・文化に詳しい速水健朗氏はこう分析する。
「第一次居酒屋ブームが’80年代。ここで学生をターゲットにした白木屋や養老乃瀧が出てきました。’90年代には第二次ブームとしてワタミが頭角を現し、ご飯がおいしいことを売りに女性に居酒屋を定着させた。第三次といえるのが今で、激安居酒屋や、コンセプト居酒屋が乱立しました」
特に問題なのが激安居酒屋だと速水氏は指摘する。
「サプライチェーンの上から下まですれすれの価格に削った状況で競合より単価を下げるには、同じ賃金で従業員を倍働かせるしかありません。その手法の導入が激安居酒屋で進んでいます。例えば“部活化”。先輩がひたすらしごき、脱落者もいますが、残った者には連帯感が生まれていいチームになる。飲食は独立独歩の世界で“成りあがり”の精神も重要です。部活・ヤンキーという日本の伝統が激安化の裏で復活しているんです」
【速水健朗氏】
ライター、消費評論家。ケータイ小説からラーメンまで、消費や流行が研究分野。新刊『都市と消費とディズニーの夢』が発売中。
取材・文・撮影/増山かおり 取材・文/朝井麻由美 宮崎智之(プレスラボ)
取材/大貫未来(清談社) 黒田知道 撮影/Yuki Sugiura
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