居酒屋の会計で「2万円まけろ!」と脅すチンピラファミリー
デフレの波に揉まれ、低賃金・過剰労働・サービス過多が蔓延る外食産業。そこは、労働環境はむろん、従業員も客もド底辺という凄まじい魔境になっていた!
◆値切るチンピラ、皿の上にコンドーム。大バカ客の蛮行
店がバカなら客もバカ。某カラオケつき居酒屋の元社員・江藤茂さん(仮名・29歳)は、常連のチンピラファミリーに苦しめられた。
「大騒ぎのあげく、会計を2万円まけろと迫ってきたんです。『兄貴に出させるわけにはいかねえ!』の一点張りで、警察を呼んだのですが、民事不介入だといって突っ立ったまま。最後に出てきた兄貴が黄門様みたいに『まあここは仲良くしようや』と収めたのですが、そっちからふっかけてきたくせに何様だよ!」
カタギの若者も侮れない。
「プロジェクターが壊れたというので部屋に行くと、茶色の液体で部屋中濡れて大惨事になってました。酒ぶっかけましたよね、と聞くと、機械関係の仕事をしているという男がしゃしゃり出て、『これは空気中の水分が結露してできたもの。機械ではよくあること』と謎の論理をたたみかけてきて、さらに、『あんた法学部じゃん!』と言われて出てきた女が『私たちがこのプロジェクターを壊したという証拠はあるのですか?』と詰め寄ってきました。法律も何もただ敬語で喋ってるだけじゃねえか、と呆れました」
と江藤さんは肩を落とす。
◆ファミレスやカフェもチン事件の宝庫
一方、山田雄太さん(仮名・34歳)が勤める某ファミレスには、時折、痴女が現れる。
「ノーパンでスカートをたくしあげて客席に座って、丸出しにしている女性がいたんです。ほかのお客さんからも見えていたらしくクレームが入って発覚。料理を運んでいったら、確かにご開帳でした」
某カフェの社員・森真吾さん(仮名・26歳)が目撃したのは、お皿に盛られたコンドームだ。
「客席を片付けにいくと、皿のど真ん中に袋から取り出したコンドームがちょこんと置かれていました」
幸い、中に妙な液体は入っていなかったとのこと。ド底辺客のせめてもの優しさだったのかもしれない。
イラスト/西アズナブル 取材・文/増山かおり
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