【本番行為】店からの損害賠償請求に支払い義務は?
開放的な世間のムードにも煽られ、ついついハメを外したくもなるこの季節。しかし慣れていない人間の遊びほど危なっかしいことはない。
ピンクのカーテンをくぐり入った風俗店。壁には「本番禁止」とデカデカと書かれているのに風俗嬢が「2万でいいよ」と言ってきた。それならばとうっかり挿れてしまうと、取り返しのつかないことになることも。ひとしきりコトを終えたのち、身だしなみを整え店を出ようとすると怖いお兄さんが登場、奥の事務所に連れて行かれる。「迷惑料として1000万円払うという念書を書かないと強姦罪で告訴する……」。
こんなシチュエーションは漫画や映画のなかだけだと思ったら大間違い。現実にも十分起こりえるようだ。弁護士の長谷川裕雅氏は次のように語る。「実際、風俗店で本番行為を行い、そのことを理由に店や風俗嬢に責められ、困っている男性は少なくありません。悪質な風俗店は損害賠償を請求し、払わなかったら警察へ告訴したり、会社や家族に伝えると脅されて念書を書いてしまう方もいます」
突然の展開なうえ、内容が内容だけに相談できる相手も限られる。冷静な対応をとれというほうが酷だ。普段、風俗通いをしていないビギナーなら尚更だろう。では、そんなトラブルに巻き込まれてしまったら、どのように対応するべきなのだろうか。前出の長谷川氏は「本当に強姦をしていないのならば恐れる必要はありません」と言い切る。
「強姦をしていないのであれば、買春をしても警察に捕まって処罰を受けるということはありません。風俗嬢が18歳以上で同意があれば、たとえ金銭を払って本番行為をしたとしても処罰の対象にはならないのです。売春禁止法という法律がありますが、これは主に売春を管理している人間しか処罰されません。買春は違法行為ではありますが、買った本人に罰則はないのです」
意外なことに脅す側の常套句である「告訴」も、むしろ店の首を絞めることになるという。
「たとえ、告訴という正当な法手続きを盾にしていても、風俗店の要求は恐喝罪になりえます。法外な金銭要求が先行し、要求に失敗したあとで警察に告訴すると、民事での損害賠償請求を有利に進めるためと判断され、結果として店が不利な立場に陥ります。家族や会社にバラすことをちらつかせ、金銭を要求するのも同様に恐喝。仮に念書にサインをしてしまっても無効です」
できることなら家族にも正直に話し、失うものがない状態にすることが問題を複雑にしないための最善の方法だと長谷川氏は語る。
「こういったケースでは自分の面子を守ろうとすればするほど、つけ込まれます。リスクを減らすという意味では、風俗店に行くときには身分証明になるものは持っていかないほうがいい。免許証や保険証、社員証などを奪われてしまい、個人情報を知られるとさまざまな方法で脅される危険性があります」
自宅や会社に乗り込まれれば、一気に周囲の信頼を損なうことになる。一度、タチの悪い奴らにターゲットにされてしまうと、そう簡単に放してくれないのは言うまでもないだろう。思いっきりハメを外す際にも、最低限の理性は忘れてはいけない。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
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