リビングに共用の合法ハーブが…バンドマンたちのシェアハウス
近年、シェアハウスが人気だ。ただ、人気が高まるにつれ、トラブルも発生。都内のシェアハウスオーナーは、「最近は若い入居希望者が多く、なかにはノリで来る人もいて、管理が行き届かず住人間で問題が起こることもある」と話す。昨今のシェアハウスで巻き起こる、トラブルの実態を追った。
【CASE2】ハウス内の悪習に染まり、気づけば自分もジャンキーに
共通の趣味を持つ仲間同士で集えることもシェアハウスの魅力だ。しかし、会社員の南圭祐さん(仮名・26歳)が趣味のバンドの仲間から紹介された物件は、あまりよろしくない愛好者たちが集っていた。
「行ってみると、4階建ての倉庫を改築した個室付き物件でした。住んでいたのはバンドマンばかりで、20~30代後半まで男女十数人がいました。防音設備のある部屋もあって、行ったその日に皆でジャム・セッション。家賃は6万円で安くはなかったけど、楽しくて、すぐに入居を決めました」
契約はオーナーとの短い面談のみで、特に注意点などは伝えられなかったという。だが、入居初日に行われた歓迎会で、彼は思わぬ“歓迎”を受けることになる。
「宴会の最中、『変な匂いがするな』と思ったんです。合法ハーブでした。気づけば皆で“まわし吸い”をしていて、自分の番に。最初は気持ち悪かったけど、段々と気分よくなってくるんです」
2週間も住んだ頃には、立派な常習者に。「リビングに『共用ハーブ』があったので、それを吸っていた」という。ただ、そんな自由な生活も長くは続かなかった。
「もともと建物が違法建築だったみたいで退去勧告されたようです。急に『出てって』と全員が追い出されて……。結局、合法ハーブの味を覚えただけです。今は“社会復帰”して会社勤務ですが、いまだにやめられなくて困っています」
イラスト/タカミトモトシ
― 魔窟化するシェアハウスの(狂)ライフ【2】 ―
ハッシュタグ