更新日:2012年11月18日 09:03
仕事

拡張現実を使ってバカをやる謎の三兄弟

高い広告費をかけなくても、アイデアひとつのバカなネタがウケて拡散し、大ヒットを遂げる時代。躍進を見せるバカ賢人にインタビューするとともに、バカ発想法を聞き出した ◆仕事と遊びも、夢と現実も境界を越えて遊び倒す! 【AR三兄弟川田十夢氏】 未来開発ユニット・AR三兄弟の長男。ALTERNATIVE DESIGN++主宰。AR(現実拡張)技術を駆使し、様々な題材をマッシュアップしてメディアの可能性を拡張中
川田十夢氏

川田十夢氏

 人が知覚する現実をコンピュータで拡張する技術「AR」(Augmented Reality)。広告業界で注目されている技術で、カメラをかざすと実際の景色の上に文字や画像が表示される「セカイカメラ」が、ARを使ったアプリとしては有名。そんな最新技術をAR三兄弟の長男として広めているのが川田十夢氏。 「ARを説明するとき、僕は実際にカクメットからビームを出したり、ノートから鳩を出したりして、『今のがARです』と話します。そして、『ドラゴンボール』のスカウターも、『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドも、いわばARだと言っちゃう。ARって、実は漫画の世界とかで、みんながすでに知っているものなんですよ」
AR

手を広げるとその長さが自動計測され、大きさの合う家具が表示、検索できる「空間検索」。これもAR技術を使った発明だ

 ARとさまざまな題材を組み合わせて、笑えるコンテンツにするのが川田氏の得意な手法だ。 「プログラムでボケるとか、僕は笑いが不要なところでバカをするのが好き。難しい技術を使った作品も、『メディアアート』的な額縁に入れずにボケとして提示すれば、一般の人でも楽しめるんです。ARに俗っぽい三兄弟という言葉を足したのも、ライブのように自分が作ったシステムをパフォーマンスとして披露するのも、作品を広く届けるための工夫です」  最近では、ABC朝日放送の60周年記念特別ドラマで広告を手がけるなど、大手企業からも注目を浴びているAR三兄弟。また、仕事と遊びの境目がないだけでなく、「自分は現実と夢の境目もない」とも。 「人の作品を見ると、自分が作った気になっちゃうし、『どう作るんだっけ?』と考えて、そこから自分で何か作ることも。アニメ『東のエデン』の世界を現実にした宣伝もそうして生まれました。『ドラゴンボール』のかめはめ波をやりすぎて手にタコができるような子供でしたが、好きな世界に夢中になり遊び倒すのは今も同じ。『ドラクエIII』で遊び人だけが『悟りの書』なしでも賢者になれるように、賢者への近道は遊び人になることだと思います」  またバカになるには「身の丈は知っておいたほうがいいけど身の程は知らなくていい」とも。 「僕は荒木飛呂彦さんやユニコーンなど憧れの人に自ら会いに行き、『僕も向こうに影響を与えたい』と作品も見せました。マキタスポーツさんが『何かに夢中な人はボケ』と言ってますが、やっぱり自分で自分にツッコミを入れたらダメ。身の程知らずで突き抜けた存在になれば、周囲からチヤホヤされるバカになれるはずです」 【バカ格言】 『身の丈は知っても身の程は知らないバカであれ』 ― 「バカ」を武器に成功する!【4】 ―
バカが武器

バカとハサミは使いよう

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