離婚式を生んだ“前代未聞”のアイデア術
―[「バカ」を武器に成功する!]―
高い広告費をかけなくても、アイデアひとつのバカなネタがウケて拡散し、大ヒットを遂げる時代。躍進を見せるバカ賢人にインタビューするとともに、バカ発想法を聞き出した
◆離婚式に試し書き蒐集……前代未聞の仕事を自ら作る
【離婚式プランナー寺井広樹氏】
1980年生まれ。離婚式プランナー、タメシガキ蒐集家。離婚式は海外メディアからも多数の取材を受ける。KBS京都ラジオ『離婚さん、いらっしゃい。』のMCも務める
’09年に「離婚式」なるサービスを立ち上げ、離婚式プランナーとして活動している寺井広樹氏。プロデュースした離婚式の数は150に。
「昔から結婚式があってなぜ離婚式がないのか疑問だったんです。それで大学時代の先輩が離婚をしたときに、『離婚式を僕にプロデュースさせてください』と提案をした。その先輩からも列席者からも、最初は猛烈に非難されました」
離婚式の主役の夫婦は旧郎・旧婦と呼ばれ、見届け人は仲人ならぬ裂人。ハンマーで結婚指輪を叩き割る「最後の共同作業」なども、おフザケとしか思えないが、作業を終えると、憑き物が落ちたように表情が変わる人が多いという。
「もちろん1ミリもフザケているつもりはありません。結婚指輪を叩き割ることで、気持ちは吹っ切れる。友人への報告でケジメをつけて再スタートもできます。お葬式と同様で、形式的な儀式は心の切り替えに効果的なんです」
今では離婚をテーマにしたラジオ番組のレギュラーやマナー講座まで手広く活躍しているが、離婚式の効用に気づいたのはサービスを始めた後で、「最初は単なる思いつきだった」という。「後から意味を掘り下げて考えたり、『実はこういう意味があるんじゃ?』という人の言葉を真に受けたりしているうちに、ロジックが見えてきたんです。ビジネスになるのかなど考えず、興味のあることはとことん探究すべきだし、そのほうが意義深いものも生まれます」
寺井氏は「タメシガキ蒐集家」の顔も。56か国から収集したペン売り場の試し書きは2500枚にも及び、展覧会も開催している。
「試し書きには人の無意識や、国民性などが見えて面白いんです。例えば筆記具に不良品の多い途上国の人は、インクが出るかどうか真剣に試すため、試し書きは筆圧の強い直線が多い。先進国ではインクが出るのは当然で書き味を試すので、絵や文章が多くなる。また中国はネットの規制が厳しく、不満のはけ口がないせいか、『お金ない』『疲れた』みたいなネガティブな試し書きが多い。試し書きの研究は文化人類学なんですよ」
バカとして我が道を行くためには「鈍感力」と「探究心の強さ」が大事だと寺井氏は話す。
「嫌われる、バカにされる、失敗すると考えず、勝手に何かを始めたり、宣言してしまえばいい。周囲を気にせず、真剣に何かを追求し続ければ振り切れたバカになれるし、それを面白がって応援してくれる人も出てくるはずですよ」
【バカ格言】
『意味や意義は後付けにしてとりあえず、やる』
― 「バカ」を武器に成功する!【3】 ―
―[「バカ」を武器に成功する!]―
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『バカが武器』 バカとハサミは使いよう ![]() |
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