もっと「好き/嫌い」で生きろ! 【マキタスポーツ×家入一真×ジョーカー福留】 Vol.2
―[「バカ」を武器に成功する!]―
『一億総ツッコミ時代』でボケへの転身を提言したマキタスポーツ氏、『バカが武器』でソーシャル時代のバカの重要性を説いたジョーカー福留氏、『もっと自由に働きたい』の著者で“悪ふざけ連続起業家”を名乗る家入一真氏が、今、求められているバカ像を語り合う!
⇒【前編】「一億総ツッコミ時代」は気持ちが悪い https://nikkan-spa.jp/326324 ジョーカー福留:(以下、福留):僕なんて一度は会社が潰れかけて、家も失いましたからね。 マキタスポーツ(以下、マキタ):僕は逆に、自分の万能感を傷つけたくないがために、引きこもった時期があって。今みたいにネットとかSNSが発達した時代に若い次期を過ごしていたら、かなりのキーボード弁慶だったと思いますよ。その後で失敗も多くしましたけど。 福留:確かに失敗ってツラいんですけど、パソコンができずにIT業界に行って失敗した話とか、住宅ローンが払えなくなった話とかをすると、みんな笑ってくれるんですよね。 マキタ:そういうチャーミングさは重要だと思いますよ。だから、“あえて感”バリバリでもボケていくのは、今の時代は有効だと思います。そのためには自分から行動に出て、自分の価値観も前面に押し出したほうがいい。最近は「良い/悪い」の基準で物事を言う人が多いですけど、もっと二人称的な「好き/嫌い」の表明を発信していくべきというか。 家入一真(以下、家入):好き嫌いってイイですよね。そういえば福留さんはもともとアイス好きだったんですか? 福留:普通に好きでしたよ。でもアイスなんてみんな好きじゃないですか。「アイス大好き歴30年以上」とか紹介してもらえるんですけど……。 マキタ:アイスがずっと好きな人なんて、いくらでもいるよね(笑)。 福留:そうなんです。でも、なぜ『チョコモナカジャンボ』の皮があんなパリパリなのかとか、いろいろ調べてはいますよ。「どこでそんな情報仕入れるんですか?」とよく聞かれるんですけど、見ていないだけで全部ホームページに書いてあります。 マキタ:ハハハ。情報が多すぎて、みんな追えないんですよね、きっと。 福留:僕みたいに一つのことしか知らなくて、ほかの知識はまったくないバカが出てきたほうが、世の中も面白くなると思うんですよ。歴代総理の名前とかまったく知らないですし。 マキタ:それ、間違ってないと思いますよ。対象を絞ったほうが世の中の真理にたどり着きやすいというか。 福留:家入さんも流れてくる情報のすべては摂取していないですよね。 家入:僕はメールが溜まってくると、気が滅入ってしまうので、見ないまま全部削除するという技を持っているんです。全部削除しても、本当に大事な要件は電話がかかってくる。それ以外は大事じゃなかったということにしちゃうんです。いい加減な話ですけど、「みんな自分にもう少し甘くてもいいじゃん」って思いますよ。「これはダメ」「あれもダメ」みたいな、誰かが作った見えない規則みたいなものがあって、それに縛られすぎなんじゃないかなって。 マキタ:自分のおふくろなんかの世代だと、そういうダメな人を「あの人はそういう性分だから」って許していたんですよね。それが今の時代は、かなり許されなくなってきた。「ちゃんとしたプログラムに沿って教育すればきっと変われるはずだ」みたいな変な幻想もあるし。 ◆実験と失敗を繰り返し好きなことだけして生きる 家入:福留さんみたいに自分で生業をつくっちゃうのはアリですよね。僕のアシスタントも顔に広告を貼る「顔面広告」を売って生活しているんですけど、そうやって自分の時間を切り売りしてもいいし。なんでも実験と考えて、好きなことを勝手にやっちゃえばいいんですよ。 マキタ:好きなことをやってゴキゲンに生きている人って、そうやって実験と失敗をした結果、甘い果実を手にしていると思うんですよね。そういう人を「ズルい」と裁くのは、すごいつまらないと思う。コンビニアイス評論家も実は大変でしょ? 福留:けっこうお腹は壊します。 家入:でもズルい感じはないですね。 福留:スイーツ評論家ならオシャレ感もあると思いますけど僕はコンビニアイスですから。 家入:庶民感が出ちゃってますよね。 福留:僕、育ちが足立区なんですよ。だから僕にはコンビニアイスが合っているし、ハーゲンダッツとかはあまり食べない。実は、ハーゲンダッツはアメリカのアイスなのに北欧っぽいオシャレなイメージとネーミングを装って成功したアイスなんですけどね。世の中の成功者にも、実はそういう人が多いと思いますよ。 マキタ:家入さんや福留さんは、自分でルールを作っちゃった人だと思うんです。僕が好きな矢沢永吉さんも、完全に自分でルールを作った人で。彼は「俺は自分で自分の時間を決済できているし、誰にも使われていない。苦労は多いけど、社長だからそれができるし、俺はゴキゲンだ」と言っているんですよね。時間を自分で決められるというのは、ルールを作った人間の特権なんですよ。 福留:永ちゃんもツッコミ入れられる側ですもんね。大真面目ですけど、それがすべて面白いというか。 家入:とりあえず前のめりになって進むことですよね。「危ない!」って助けてくれる人もいるかもしれないし、面白がって一緒に進んでくれる人もいるかもしれない。助けてもらえなくても、倒れるだけなんで。 【後編】に続く⇒コンプレックスは武器になる
https://nikkan-spa.jp/326326 【マキタスポーツ氏】 芸人、ミュージシャン、コラムニスト、俳優。自ら命名した「作詞作曲ものまね」は知的なパロディネタとして好評を博している。独自の批評的見地から音楽や時事問題を考察、論評する。著書に『一億総ツッコミ時代』(星海社) 【家入一真氏】 起業家・投資家・クリエイター。Liverty代表。引きこもり生活や新聞奨学生を経て起業し、「ロリポップ!」など数々のトップサービスを立ち上げている。著書に『もっと自由に働きたい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など 【ジョーカー福留氏】 変態企業カメレオン代表。「妄想ライセンス」などのバカグッズ・サービスを製作する。著書の『バカが武器』(小社刊)には、ザリガニワークスや日本唐揚協会、バーグハンバーグバーグ、ヨシナガ氏のインタビューも収録 ― 「バカ」を武器に成功する!【6】 ―
『バカが武器』 バカとハサミは使いよう |
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