宇宙人との交流を目指した「UFO党」の大真面目
―[ニッポンの政党(笑)盛衰史]―
「近いうち」が現実となり、国民そっちのけで上を下への大騒ぎを繰り広げる永田町。たちあがれ日本が太陽の党になったと思ったら今度は日本維新の会と合流とか、もう何がなんだかわからない。そんな混沌とした政党の歴史を今一度振り返りつつ、ニッポンの未来を考えよう!
【「開星論」のUFO党】
’82年、森脇十九男を党首として結党。開国論の地球規模版「開星論」を掲げ、宇宙人との友好的交流の促進、UFO情報開示などを提唱
◆UFOに関わる重大機密を政治に持ち込もうとすると命が危ないので……
党首・森脇十九男氏とともに「開星論」のUFO党を支えていたのが、『ビートたけしのTVタックル』などでUFOや超常現象の専門家としておなじみの韮澤潤一郎氏。
「’82年の党結成より遡ること4年前、実は国連総会でUFO調査をするという議決が採択されていたんですよ。結局、実行されなかったんですが、国際連合という世界的機関で認められたUFO調査に、日本も参加していくべきだと考え我々は結党したわけです」
開国ならぬ「開星論」は宇宙人との交流を視野に地球規模で展開。
「’92年にニューヨークの国連本部で開かれたUFOに関するシンポジウムに出席した羽咋市には、当時の江田科学技術庁長官のメッセージをUFO党の協力で託しましたし、’94年、田中眞紀子議員の科学技術庁長官就任時には、先述のUFO調査を実施してくれと要請文を送ったこともあるんです」
’96年には渋谷の国連大学にUFO学科開設とか臨海副都心に宇宙人歓迎用のUFO離着陸ポート建設を東京都議会に陳情したことも。一切ブレのない活動は大政党にも見習ってもらいたいものだ。
◆比例区で5万票以上獲得するも全員落選……
韮澤氏はそれまで、UFO党を裏からサポートする立場だったそうだが、’95年の参院選に出馬。
「当時は私のテレビの露出が増えておりましたので、比例区で私が出馬しました。ただ、私以外にも東京、愛知、大阪の選挙区から9人立候補しましたが、私を含め全員が落選。比例区で5万票以上獲得していたんですが……」
’96年以降は目立った活動は行われておらず、現在の活動は国会議員全員にUFOに関する書簡と資料を配布する程度だそう。
韮澤氏がもう一度、UFO党から国政に打って出る可能性は?
「その気持ちがないわけではないです。ただ、たとえば’70年代にCIA長官を務めたウィリアム・コルビーは自宅近くで変死していたんですが、私がつかんだ情報によると、彼はあるUFO関連の事件を政治活動で公にしようとしていたらしいんです。つまり、CIA長官だった人物でさえ、UFOに関わる重大機密を政治に持ち込もうとすると命が危ない……」
UFO党は比喩でも何でもなく、まさに文字どおり、命がけの政治活動を行っていたのである!
【韮澤潤一郎氏】
たま出版社長兼編集長。UFO研究家。『エスパー大行進』『宇宙人はなぜ地球に来たのか』など著書多数。写真は’95年の政見放送より
― ニッポンの政党(笑)盛衰史【4】 ―
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