美魔女の主戦場はOver45歳に【2012年・アンチエイジング10大ニュース】
スカイツリー開業にロンドン五輪と、今年もいろんなことがありました。が、ニッチな世界の出来事も、大きな世界の潮流を映し出す。というわけで、さまざまなジャンルのウォッチャーたちに今年の10大ニュースを聞いた!
【アンチエイジングニュース】過激にエスカレート!
実年齢マイナス20歳、一日1食主義など、今年、極端なものがもてはやされたアンチエイジング界。
「アンチエイジングは過激にエスカレートし、極限までいった気がします。来年は、その揺り戻しがあるのでは」と分析するのは、医療ジャーナリストの宇山恵子氏。
「例えば、カロリスは2009年に、ウィスコンシン大で行われた実験結果が主な根拠になっていますが、実は今年、NIAという米国のアンチエイジング機関が『カロリー制限により病気になるリスクは減るが、寿命は変わらない』『ヘルシーなものの摂取で、自然と食べすぎなくなる』という結果を発表しました。美魔女もそうですが、無理は続かないし、不自然なものは、やはり不自然なんですよ」
ということで、宇山氏は来年は、「適度に脂肪のついた“健康なちょいメタボ”という意識が生まれ、女性もどこか人工的な美魔女に代わり、YOUさんのように外見・内面ともにガーリーさを醸し出す“おばガール”が脚光を浴びる」と予想。具体的な方法も懐にも無理のないものも登場しそうだとか。
「好きな人に優しくなでてもらう“コンフォートマッサージ”で、ナチュラルキラー細胞が活性化されて元気になる。また、作り笑いでも免疫機能が上がることが判明。これらは、経済的な究極のアンチエイジング法といえるかも」
また、食生活を改善して“腸内細菌年齢”を若く保つことや、食事やウオーキングでミトコンドリアを活性化し代謝を上げる“ミトコンドリア・ダイエット”なども要注目だという。
いずれにせよ、無理をするやり方ではなく、地に足のついたものがトレンドになりそう。
「10歳若く見せるために無理して生きるのではなく、マイペースに過ごし、結果として若く見える。これが最も理想的なアンチエイジング法だと思います」
●1位 細分化&拡大どこまでいく!? 実年齢マイナス○歳
今年あちこちで目についたフレーズだが、マイナス5歳から20歳にまでエスカレート。髪年齢、お口年齢、爪年齢など細分化も
●2位 医師が火付け役カロリス、一日1食主義
カロリスとはカロリーリストリクションの略。摂取カロリーの制限が長寿につながると南雲吉則医師が一日1食主義を唱え大ブレイク
●3位 美魔女ブーム
ファッション雑誌『美STORY/美ST』による造語で、定義は「35歳以上の才色兼備な女性」。本当の勝負は45歳以降だったりする
●4位 女の産みどき、卵巣年齢に注目集まる
坂上みきや東尾理子など高齢出産が増えるなか、卵子の老化が話題に。が、一般的に調べられるのは卵の量であり、質ではないとか
●5位 「いいね!」元気いっぱい「フェイスブックおやじ」
朝方から元気にFBに投稿する30代オーバーの男性が急増。「いいね!」で自己肯定できるのはアンチエイジング的に間違いではない
●6位 売り切れも続出!細分化進む機能性ヨーグルト
腸内細菌のゲノム解析が進み、メーカーの乳酸菌研究も活発化して多様な健康機能をもつ商品が登場。免疫を調整する腸を整えるのは◎
●7位 モデルが火付け役「グリーンスムージー」が大ヒット
野菜や果物の繊維や酵素をそのまま取れ、美肌やダイエットにいいとブームに。野菜摂取量が少ない日本人にはいいが、継続が大事
●8位 大ブレイク!「ロングブレスダイエット」
美木良介氏が考案した、3秒吸って7秒強く吐く呼吸法。「自分のマックス値を出すという意味では、階段ダッシュでも効果は同じかも」
●9位 保存にはご注意を。伝統回帰か!?麹、酵素ブーム
麹や酵素は消化分解を助ける効果があるとされ、塩麴や酵素ジュースなどが人気に。日本の伝統的な食生活が見直されている表れかも
●10位 皇居周りが渋滞!?中高年のランブーム
マラソンにハマる中高年が続出。「軽いジョギングならいいと思いますが、紫外線や関節への負担などアンチエイジング的には逆効果」
【宇山恵子氏】
医療ジャーナリスト。国内外の医療・美容・アンチエイジング情報を中心に取材・発信。東京医科歯科大学非常勤講師、京都府立医科大特任教授も務める
― 2012年ニッチな世界のジャンル別10大ニュース【6】 ―
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