経費を積み上げて節税しよう
アベクロ相場による好況感にも、不穏な影が忍び寄る今日この頃。節税こそが、リスクをとらず、自分の資産を守るためにできる数少ない手段だ。サラリーマンだからと諦めることなく、できることから今すぐ取りかかるべし!
◆納税額圧縮のためのぶっちゃけ副業&経費計上術
SPA!はこれまで、サラリーマンであっても十分節税の可能性があることはここまでで明らかにしてきたが、知っていてトクする情報はこれだけではない。そこで“ぶっちゃけ税理士”の異名を取る岩松正記氏に節税のためのさらなるチェック項目を聞いた。
【1】自宅家賃の経費計上には明確なストーリーを
事務所として使った自宅の部分を経費に計上することで大きな節税効果が得られる場合がある。では、具体的にはどの程度までが経費として認められる範疇なのだろうか。
「仕事に使っている割合を経費にするのですが、その数字は面積比であったり、ざっくりと20~30%とする場合があります。これ! という数字はないのですが、根拠を説明できることが大事ですね」
実際には50%を経費としているケースも珍しくないようだが、強気の申告をする場合には、いざ税務署から問い合わせがあっても、しっかりと回答できるようにしておくのが身のためだろう。
【2】法人の接待費は年800万円枠を有効に使おう
個人事業主や週末起業の場合、比較的経費扱いすることの多い飲食費。個人の場合は全額経費と交際費だが、今年の税制改正により、法人の場合にも年800万円までは全額経費にできるようになった。
「資本金1億円以下で今年4月1日以降に開始する事業年度からの適用になりますがこれは朗報。でも、繰り返しますが事業用でなければダメ。個人的な飲み食いなどを入れてはいけません」
【3】副業所得20万円以下でも確定申告したほうがいい場合も
サラリーマンの副業所得が20万円を超えた場合は、必ず確定申告を行わなくてはならない。裏を返せば20万円以下の場合は確定申告の必要がないのだが、実は経費の状況次第では、確定申告を行ったほうが有利になることもある。
「受け取った講演料や謝礼から源泉所得税が引かれている場合など、申告すると源泉徴収分が戻ってくることがあります。極端な例ですが、20万円稼ぐために20万円の経費がかかっていたら、所得はゼロ。にもかかわらず源泉分2万円がすでに引かれていれば、確定申告を行うと2万円はそのまま戻ってくることになります」
【4】会社バレしないためには納税方法の変更が必要
副業は内緒にしなければいけないことは珍しくない。その際、救いとなるのが納税方法の変更だ。
「通常サラリーマンの住民税は、地方自治体が算出した額を、『特別徴収』といって会社が納税者の代わりに納める方式で納税します。しかしこの方法だと副業分の住民税額も会社に通知が行ってしまうことがあるため、副業がバレたりします。対策としては納税方式を『普通徴収』に変更する。こうすると会社の給料分は今までどおり天引きで、副業分だけを自分で納めることになります。方法は簡単で、確定申告書にある『住民税に関する事項』という欄の『自分で納付』に○をつけるだけです」
【岩松正記氏】
証券会社などを経験したのち税理士として独立。税の世界の裏事情にも精通している。著書に『経営のやってはいけない!』など
イラスト/サダ
― 中流サラリーマンは、納税額を圧縮せよ!【4】 ―
『経営のやってはいけない!』 残念な会社にしないための95項目 |
この特集の前回記事
ハッシュタグ