金融マンが仕掛けた町おこしは「人もカネも集める」【後編】
岩手県紫波町。地図上で盛岡市のすぐ下にあたるこの町の駅前都市整備事業(オガールプロジェクト)に携わってきたぐっちーさん。メイン施設となるオガールプラザが6月で開館1年を迎えたことを機に、改めて地方発展についてぐっちーさんが語った。
◆人を集めて、お金を集める!これが町おこしの基本です【後編】(現役金融マン ぐっちーさん)
⇒【前編】こちら
そして、通常この種の政府資金は投入したらそれっきりで「塩漬け」になるわけですが、この仕組みの素晴らしい点はオガールが資産として安定収入を上げれば上げるほど株式価値そのものが上昇、上場、転売などでエグジットした場合、そのキャピタルゲインのすべてを政府と地元で山分け、できることになります。
つまり、この仕組みで使われる税金はただの「浪費」ではなく、その後の紫波町の皆様とオガール紫波の頑張りによって、「儲かって」かえってくる可能性があるのです。
この発表後、大手都市銀行がこのPPI事業を強化する、と発表したのですが、4年前我々がアイデアを持ちこんだときには完全に門前払いだったと申し上げておきます。
皆様の頑張りのおかげで開館1年を迎えたオガールは既に年間75万人を集客しました。人の集まるところにお金が集まる。東京ディズニーランドはいまだに5000万の人を集めます。特別なものを作らなくても、日本中の人々が頑張って、そこを魅力のある町にして、世界中の人々を集めれば財政赤字など簡単に吹っ飛びます。
今こそこういった紫波町のような工夫が求められているのです。
【今週の数字】
オガールの年間利用者数
75万人
施設には、紫波マルシェといった産直販売施設や図書館などがある。人口が約3万4000人ということを考えれば、町民以外にもかなりの人が訪れていることが想像できる。
【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウをブログに執筆し、いち早くサブプライムローン問題に警鐘を鳴らしていたアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している
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