レンタル墓地、樹木葬。多様化するニーズに応えた墓地
どんなにノンキに生きていても、30~40代ともなれば葬式に出る機会も増えてくる。親だっていつまでも元気とは限らない。もしかしたら明日、いきなり喪主を務めるハメになるかもしれない。そんな、いざというときのために知っておきたい葬式とお墓に関するお役立ち情報を専門家に聞く!
◆人生いろいろ、お墓もいろいろ[お墓事情]驚リポート
【レンタル墓地】
昨年末から大谷浄苑でレンタル墓を展開する網代豊和氏によると、「0.8平方メートルの墓地と墓石を30万円+年間1万2000円の管理料で10年間使用できる、というものです。別途で字彫り料金はいただきますが、正面プレートへの字彫りで数万円程度。レンタルといっても墓石は使い回しではなく、毎回新しいものを作っています。大谷浄苑に石材部があるため実現した低価格と言えますね」とのこと。
普通の墓が“持ち家”とすれば、“新築の賃貸”のようなものか。
「もともと定住できないご遺族が、お墓を作らずに遺骨をお寺に預けているという現状があったため思いついたシステムでしたので、転勤族の方などからのお問い合わせが多いですね。また、レンタル期間終了後は共同の永代供養墓に入れることもできます。強いてデメリットを挙げるなら、大谷浄苑内に他の宗派のお坊さんを連れてこれないことぐらいでしょうか」
急場の選択としてはいいかもね。
【樹木葬】
樹木葬とは墓石の代わりに樹木を墓標として埋葬する葬法。葬儀・葬儀後情報サイト、エンディング・パークによると「ここ数年で急増。昨年、小平霊園が都立初の樹木葬を始めたところ応募が殺到、倍率は16.3倍にもなった」とか。
樹木葬に早くから取り組んできたのが、NPO法人エンディングセンターだ。
「地中は個別区画になっていても、地上は桜の木だけで墓石はもとより垣根や個別の墓標もない半匿名性の集合墓になっています」と井上治代代表。その中の一つに跡継ぎが途絶えても全体で管理していけるのが特徴だ。
「一般墓は高いし管理料も毎年必要。お墓に我が子を縛るよりも、自然の中に眠り、時折ゆかりの人に来てもらえればいいという考え」の人が多いとか。1~10人までの区画があるが、1人区画で40万円、数が増えると割安になる。「子供が同じお墓に入るかわからないけど、一応スペースを確保している人も多い」とは親心ですな。
― 30~40代のための[葬式&お墓]新常識【10】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ