文系芸人が日比谷公会堂をジャック!「東京ポッド許可局」イベントリポート
ある芸人の自宅でひっそりとはじまったポッドキャスト放送が、たった3年で日比谷公会堂に2000人を集めるビッグイベントを成功させた!
お笑い芸人であるマキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオが喫茶店・ルノアールでお笑い、時評、ネットなどあるとあらゆることを語りまくる「東京ポッド許可局」。リスナー登録者数27万人を誇る名物番組だが、マキタスポーツ曰く「これまで、100人規模のイベントしかやったことがなく、本当に27万人も聴いているのかと疑問だった」とのこと。
だが、8月28日に「大東京ポッド許可局 日比谷公会堂に2000人集めたい論」としてイベントを行ったところ、なんと北は北海道、南は熊本から熱心なファンが駆けつけるという大盛況。マキタスポーツの自宅で打ち合わせと称してそのまま第1回放送を収録した日から約3年での快挙だった。
イベントは、まず3人によるラップ「東京特許許可曲」でスタート。ゲストであるライムスター・宇多丸氏が登場する前にラップを披露するという大胆不敵な演出である。
だが、オープニングトークではプチ鹿島氏がお笑い芸人になるはるか昔、宇多丸氏も参加していたという「ラップ全国大会」(のちに宇多丸氏からは「全国大会というのはやめて欲しい」とツッコミあり)で優勝したことがあり、「だから、宇多丸さんとは同期ということなんですよ」とゲストとの意外な関係が判明。
意外な関係と言えば、サンキュータツオ氏と宇多丸氏も、高校と大学がまったく同じの先輩後輩であり、特に高校はかなりの体育会系で苛烈な高校だったとのこと。
ゲストコーナーでは、宇多丸氏を迎え、サンキュータツオ氏と「夏に古式泳法での遠泳があるため、体力づくりに体育の授業は1年中マラソン」などの軍隊のような高校生活を振り返ったのち、映画批評でも知られる宇多丸氏と「評論について」のトーク。映画批評と3人が行っているお笑い批評との共通項、面白い批評とは何か、などから、「批評家はメガネ屋。このメガネいかがでしょう、と進めて、そのメガネをかけると今までと違う見え方ができる」(サンキュータツオ氏)という言葉で締めくくられた。
その後、3人は広い日比谷公会堂の舞台の中心に小さな机を置き、「東京ポッド許可局」らしく、最新のネットの話題や、お笑い8年周期論、アニマル浜口のエピソードなどを通じて「今の時代に表現をすることの意味」についてトーク。非常に濃い内容ではあったが、なぜか最後は「上を向いて歩こう」を全員で合唱し、ラップを再び熱唱するという、もちろん笑いも忘れない3人らしいエンディング。
あえて日比谷公会堂で、いつもどおりのことをやる、という野心的な内容だったが、まったく飽きさせない、あっという間の2時間半であった。
取材・文・撮影/日刊SPA!取材班
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