更新日:2013年10月10日 16:41
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通夜の前に火葬をすます!? 地域で異なるお葬式の風習

◆消費者と業者でフツーが異なる葬儀の世界
市川 愛さん

市川 愛さん

 よそからは独特に見えても、その土地の人にとっては常識で普通ということは、お葬式の風習ではよくあります。例えば、火葬の順番にしても、関東はお通夜の翌日に告別式があり火葬ですが、東北の一部地域ではお通夜の前に火葬を済ませます。だから青森の方が東京のお葬式に参列して、ご遺体があって驚いたなんていうのはよく聞きますし、変わったところでは、お清めの塩の代わりに鰹節をかけるとか、棺おけを荒縄でひっぱるなんて地域もあります。また、都市部では一般的になってきた家族葬にしても、地方の方からは「かわいそう」になってしまう。  こうした地域ごと、それぞれの人によって違いがありますから、服飾メーカーから転職したときに言われたのが、「決めうちをして話をしない」ということでした。「密葬でやりたい」と言っても、ごく親しい近親者のみで執り行いたいという意味なのか、火葬だけでいいという意味なのか。言葉の定義が異なることが少なくないんです。  また、今でもあるのですが、業者さんのサイトなどにある「葬儀一式」という言葉の受け取り方。一式と聞くと、普通、「お葬式の最初から最後まで」と考えてしまうかもしれません。でも、業界でいう「一式」に含まれるのは、祭壇と棺、葬儀社のスタッフの人件費まで。仕出しや返礼品、式場利用料や火葬料、車両代は「実費」となるんです。こうしたスレ違いは事前に見積もりを取れば防げます。この業界も今では、見積もりを取るのが普通になっていますからね。 【市川 愛さん】 日本初の葬儀相談員。葬儀に関する事前準備サポートから各地での講演、執筆、研修、コンサルティングを行う。著書に『お葬式で知っておきたい58のこと』『お葬式の雑学』など。「終活普及協会」の理事も務める ― そのフツーは「普通」なのか?【4】 ―
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