消費税増税による国民負担をカバーするには?【藤沢数希氏の提言】<後編>
消費税増税による国民負担の増加は、原発再稼働とオリンピックの経済効果で十分にカバーできると藤沢数希氏は主張する
◆消費税増税分の景気対策は原発再稼働とオリンピックで。原発事故のことは汚染水と一緒に水に流そう【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)
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◆放水口で検出される放射能はバナナ以下
だが困ったことに、福島第一原発の汚染水流出ニュースで、今は原発を再稼働する雰囲気ではない。しかし、これはちょっと騒ぎすぎではないかと思う。政治家が人気取りで「汚染水は一滴も海に流さない」と言ったから無理なプロジェクトになって破綻しかけているが、そもそもわずかな放射性物質しか含まない水は、最初から海に排水していれば問題なかったのである。
こうした放射性物質は地下水に混じって海に出ていくのだが、現在、外海への放水口で検出される放射能は海水1kg当たり数ベクレル程度か検出限界未満である。みんなが食べるバナナでさえ放射性カリウムなどを含んでいるので、1kg当たり約100ベクレルの放射能がある。この程度の“汚染水”では健康被害などありえない。
日本には「水に流す」といういい言葉がある。原発事故の記憶もそろそろ汚染水と一緒に水に流し、原子力でつくった電気で街を照らして、オリンピックでやってくる外国人観光客を「お・も・て・な・し」しようではないか。
【今週の数字】
消費税増税による国民負担
約8兆円
1%の消費税増税で約2.7兆円の税収増になるため、5%→8%の消費税率アップでは、約8兆円の国民負担増になる。国民1人当たり年間約6万円だ
【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人に及ぶ。最新刊『外資系金融の終わり』(ダイヤモンド社)が発売中物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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