米国の「双子のバブル」の可能性
資料1、2参照>。上述のグロース氏の見解と基本的には同様だろう。
※<資料1>はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=551200
※<資料2>はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=551203
また、この報道では、「金融当局者は今年に入り、金融市場におけるバブルのリスクについて指摘している」としていくつか具体的な例をあげていた。例えば、「カンザスシティー連銀のジョージ総裁は農地の値上がりに懸念を表明。ダラス連銀のフィッシャー総裁はダラスとヒューストンでの住宅価格上昇について、住宅バブルの兆候だと指摘した」(ブルームバーグ)。
また、「FRBのスタイン理事とパウエル理事も、一部の債券では投資家が認識しているリスクに比べて利回りが低過ぎる可能性があると警告している」(同)という。
では、この「双子のバブル」は今後どんな顛末に向かうのか。今年に入ってから米金利の大幅上昇は、「債券バブル」破裂が進行した結果と考えることもできる。一方で米株は最高値圏での推移が続いているが、「債券バブル」破裂が一段と進行し、米金利がさらに大きく上昇するようなら、いよいよそれを嫌気する形で「米株バブル」破裂に向かうのではないかと私は考えているが、果たしてどうか?(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
2000年にかけてのITバブル、そして2007年にかけての信用バブル、または住宅バブルといった具合に、近年でも米国では何度か行き過ぎた相場の値動き、「バブル」が発生、それが破裂する展開が起こった。ところが、現在の米国では、株と債券が同時に「バブル」を発生させる、「双子のバブル」といった異例の現象になっている可能性がありそうなのである。
◆債券と株の同時「バブル」の今後の顛末とは!?
一部報道によると、世界最大の債券ファンド、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の運用責任者で「債券王」とされるビル・グロース氏は、「前例のない規模の金融緩和で株式や債券の価格は本来の水準を超えて押し上げられているとの見方を示した」という。米国で米金利低下と米株高の「双子のバブル」が発生しているとの見方で、これまで私が指摘してきた考え方と同様のものだろう。
私は、これまでずっと、米金利と米株は、米景気で説明できる範囲を大きく逸脱した動きになっており、これは、米金利低下バブルを受けた米株高バブルの可能性があるため、最近にかけての米金利低下バブル破裂の結果と考えられる米金利上昇が一段と進む中では、今後米株高バブル破裂のように米株急落リスクが表面化する可能性があるとの見方を示してきた<
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